「今、着たいに出会う」柳川千秋さんの紬、桑原牧子さんの帯のコーディネート

また見つけてしまいました…個人的に「このままコーディネートした全てが欲しい」と思える着姿です。ここにしか無い、背筋が伸び、心が高揚するようなこの特別感はなんなのでしょう。美しいものに美しいものを素直に合わせることは、とても素敵なこと。

今回はそんなことを想う、こちらの千成堂別注「新作×新作」のコーディネートをご紹介いたします。

柳川千秋 「雨を聴いた」 千成堂別注 草木染の経緯絣紬 着尺 月白色

柳川千秋 「雨を聴いた」 千成堂別注 草木染の経緯絣紬 着尺 月白色(ニュアンスのある薄い水色とグレージュの絣)
参照:柳川千秋 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ
柳川千秋さんに別注した紬着尺のアップ
参照:柳川千秋 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ
柳川千秋さんに別注した着尺 雨を聴いた草木染めについて
参照:柳川千秋 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

着尺は柳川千秋さんの作品「雨を聴いた」。「都会に降る雨」のイメージで創作をいただいた千成堂別注作品です。

とにかく柳川さんの「糸」は一本一本が実に美しい…合わせて感じとれるのは、この一本一本にどんなに心がこもっているのかという糸への想い。作品は「都会に降る雨のイメージ」と聞きましたが、その言葉の響きには冷たさや孤独をまといます。ですが、きっとそれはデザインとしてのこと。私はどんなに優しい目で都会に降る雨を見つめたのかという柳川さんの視点を想像してしまいます。

技法は、ふんわりと発色させた草木染の絣糸をランダムに経緯に配した「やたら絣」。「絣糸のとなりに無地の糸を入れて、雨の降り具合も調整しました」とは柳川さんの言葉ですが、無機質ではない、潤みのような世界観も感じさせる仕上がりとなっています。染色は桃とくさぎ、草木染。ニュアンス感のある色味の組み立ては、平織と縞の織物という最もスタンダードな舞台に品良く落ち着き、その世界観を完成させます。今作最大の魅力はその色味です。

とにかくご覧いただければお手持ちに増やしたくなる一反、着たくなる一反です。そして何よりコーディネートしたくなる一反。紬ではありますが、経糸は生糸を使用しています。そのため、織上がりは比較的シャープです。袷、単衣、どちらもお仕立てが可能です。どちらかお迷いの方には、羽織ものや帯を工夫して幅広いシーズンを着こなす単衣としてのお仕立てをお薦めいたします。

桑原牧子 「六瓢のはな 千成堂別注」 九寸名古屋帯 染め帯 白藍色

桑原牧子 「六瓢のはな 千成堂別注」 九寸名古屋帯 染め帯 白藍色
参照:桑原牧子 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ
桑原牧子 「六瓢のはな 千成堂別注」 九寸名古屋帯 染め帯 白藍色
参照:桑原牧子 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ
桑原牧子 「六瓢のはな 千成堂別注」 九寸名古屋帯 染め帯 白藍色
参照:桑原牧子 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

こちらは、東京友禅作家 桑原牧子(クワバラマキコ)さんに別注で制作いただきました「六瓢のはな」。配色と生地をアレンジした手描友禅の染め帯です。「無病」を意味する六つの瓢箪(ひょうたん)を花のように合わせた「六瓢のはな」。桑原さんがご自身のインスタグラムで「六瓢(無病)の願いを込めつつ、優しく、柔らかく。」と、イメージしてお作りいただいたことを明かしてくださっています。

込めた願いは勿論のこと、この帯の印象は美しく、味わいもあり、柔らかさもあり、そしてどこか可愛らしい。とにかく「魅力の幅が広い」ということで、それはイコール「コーディネートの幅が広い」ということです。そして何より素晴らしいのは帯の持つ雰囲気だけではなく、繊細な糸目で描かれた瓢箪と蔓、金彩の表現はまさに上質。実直で美しい手仕事の作品ということです。

紬地ですが節感は控えめでさらりとしています。透け感はなく、単衣・袷の時期の帯です。紬や御召など織りの着物から色無地(紋なし)にお薦めいたします。

「コーディネートの要になるようなもの。 そんなものづくりを目指しています。」とは、桑原さんのものづくりへの想いです。魅力溢れるこちらの帯は、必ずコーディネートの「要」となる帯です。どうぞ、ご堪能ください。

和小物さくら 無地帯揚げ 丹後ちりめん 白よごし (101)

和小物さくら 無地帯揚げ 丹後ちりめん 白よごし (101)
参照:和小物さくら 帯揚げ / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

とても使いやすい持っていて損のない和小物さくらさんの帯揚げは「白よごし №101」。この「きちんとした白」が、今回のコーディネートでは引き締まる役割を担い、背筋が伸びる雰囲気の決め手となっています。

和小物さくら 帯締め 笹波組矢羽根 白藍と鳥の子色と白鼠と銀糸 切り房

和小物さくら 帯締め 笹波組矢羽根 白藍と鳥の子色と白鼠と銀糸 切り房
参照:和小物さくら / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

帯揚げで引き締めているので、帯締めはこちらの柔らかい印象の和小物さくらさんの「笹波組矢羽根」を合わせて。非常に愛らしい配色の帯締めです。金糸をほんのりと添えてありますが、きれい目な織りの着物にも十分に合います。これからの季節、秋の入り口にも大変似合う配色

「着たくなるもの」との出会いを大切に

今回の作家さんに共通しているのはご自身が着るもの、纏うものが大好きな方が制作をされていて、作品は「実際に着たくなるもの」という想いを大切にされています。そんな別々の作家さんの共通の想いのこもった新作同士が出会ったコーディネートはいかがでしたでしょうか。

どうしても着たいものには、そんなに出会えるものではありません。ご自身が求めるもの、「今」着たいもの、そんな風に心が動かされるものとの出会いは実は希少で貴重です。そんな出会いがあったのならタイミングを逃さず「その時」を「そのもの」を大切に全力で楽しみたいですね。

<スタッフ マキコ>

「着たい」「似合う」が間違いなく揃います

「自分の着物にあう帯を選んでほしい」
「ネットの掲載品を実際に見たい」
「合うサイズの草履がない」
「お洒落なコーディネートで揃えてほしい」
「着物が着にくいので、仕立て直したい」
「紬をはじめたい」
「似合うものをオーダーメイドしたい」
「式典のコーディネートを任せたい」
「芭蕉布や上布など、特上品が欲しい」
「染織家の●●さんの作品が欲しい」

お応えしてきた一例です。ご来店(予約制)はもちろん、メールやLINEでもお気軽にご相談ください。

ご相談と掲載品のお求め:
044-750-9554
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※公式通販サイト:
https://www.sennarido-kimono.com/

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