綿の至宝”薩摩絣”をご存知ですか?
今回ご紹介するのはまさに究極の一品かもしれません。
日々、沢山の着物に囲まれていますので、”着物”に感動する事はそうはありません。
しかし、この綿薩摩絣は別格です。
正直・・感動しました。
ご覧ください、これが薩摩絣(綿薩摩)です。
※現在、各商品は完売しております。公式通販サイトへのリンクは参考とお考えください。
結城紬などの高級な着物を着尽くすと綿薩摩に行き着くと言われています。
しかし、生産数が極端に少ないことでも有名です。
見たことがない、手に取ったことがないのは当然。まさに幻。
”綿織物のダイヤモンド”
綿薩摩は、従来の素朴な綿織物とまったく違います。
木綿の中でも、一番細い糸を使い、そして最高の技術で織り上げられています。
絹をもしのぐ光沢と風合いがある織物です。
かなり着物に慣れ親しんだ方でも、大島紬と勘違いしてしまうなめらかな風合いを持っています。
この織物について、少し掘り下げてみます。
薩摩絣が考案されたのは昭和22年。
永江明夫氏によるもの、と言われています。
永江氏の出身でもある、大島紬の”絣織り”が基本となっています。
その技術はまさに繊細。
なぜなら、木綿糸には絹糸と異なる特徴があるためです。
例えば滑りにくく切れやすい、水につけると縮んでしまう、色落ちし易い・・。
独特な風合いにつながる特徴です、しかし、艶のある風合いを表現するには壁になります。
そこで、縮みを考慮した幅に織り、何度も水につける。
縮まるだけ縮ませ、藍色も落ちるだけ落としきる。
色落ちと縮みのない状態に仕上げる様々な工夫がされています。
15年。
その工程を実現するまで、途方もない時間がかけられています。
木綿の中でも、一番細い糸を使い、そして最高の技術で織り上げられています。
一般的に思い浮かべる木綿生地とはなんでしょうか。
Tシャツ地の綿を思い浮かべて見てください。
ザラッとした独特の風合いがあると思いませんか?
しかし、この薩摩絣、一切その風合いがありません。
絹のようなシュッとした手触りと、独特の艶があります。
まず、第一声は(これが綿なの?)とほとんどの方が言われます。
それ位、滑らかでしなやかです。
羽織って頂くと、さらにスゴイです。
素晴らしい肌触りと着心地の良さに、脱がずにずっと着ていたい・・そんな話もよく聞きます。
しかし、欠点があります。
一反織り上げるのに熟練した職人さんでも半年掛かると言われる工期の長さです。
すべての工程に非常に特殊な技術と手間が必要。
工期の短縮は不可能なのです・・。
ルーペでじっくり見てみても、その凄まじい細かさの絣に心震えます。
しかし、この素晴らしい風合いを出すにはその技術と手間が絶対必要なのです。
その風合いの素晴らしさ、また、その風合いを織り出す職人の技術、
目の肥えた歴史的な著名人も讃えています。
それは武者小路実篤氏。
”誠実無比”の言葉と詩を贈っています。
商品としてご紹介するにあたって、さらに手をかけました。
入荷時した時、いくつかのマイナス面がありました。
臙脂色の八掛けや、胴裏の黄変やホック跡、経年による汚れです。
これはいけません。
高価な一枚、最良の状態でお客様にお渡しする。
我らの哲学に大違反です。
そこで千成堂流の登場です。
本当に価値ある物にする為の再生に取り掛かりました。
洗い張りによる全面クリーニング。
八掛け、胴裏の交換によるカラーコーディネートの補正。
最適なサイズに修正。
1ヶ月以上の時間をかけて、仕立て直しました。
新品を超える、最良の状態となりました。
コーディネートも今回、頑張ってみました。
単なる希少さ、クラシックさを強調するのは野暮というもの。
現在、紬フリークの間で”最旬”とされる紅型帯。
独特な個性を持つ紅型の帯とコーディネート。
バッグはエルメスで手抜き無し。
ケリーバッグ32cm。
ボックスカーフの黒という、基本中の基本。
その完成度はまさに着物姿を引き立てる逸品。
さらに、もう一つ。
旬の紬とコーディネートを楽しんでみましょう。
結城紬といえば、奥順。
本場の風合いを手の届く価格で表現した奥順のプライベートブランド、
はたおり娘の帯とコーディネート。
独特なアート柄。
まさに上級者のコーディネート。
バッグはご存知、ボッテガヴェネタ。
イントレチャートはなんでこう着物に相性が良いのか!
絶妙ハンドバッグをチョイス。
着物を選ぶとき、希少さだけに目がいってしまいませんか?
しかし、忘れてはいけません。
着物はファッションとして、着て楽しむものです。
コーディネートが格好良くまとまることは絶対条件です。
この薩摩絣なら安心。
合わせやすく、高級感のある本藍染の風合いが楽しめます。
もちろん、希少さも折り紙付き。
所有する喜びも同時に大満足です。
永くご愛用頂ける大切なお着物として、いかがでしょう。
ぜひ手に取って、羽織っていただきたい逸品。
心からお勧めいたします。