お洒落着の代表といえば小紋、特に注目は飛び柄です。
「軽い付下げ」感覚でも着られ、上級者はもちろん、これから着物を揃える初心者まで選ばれています。
私は、2月「春の手前」の今、買っておくべきだと思うのです。
帯を後からでもOK!余裕を見て仕立てておきましょう
これは工芸染匠 成謙さんの飛び柄小紋「瑞雲」に洛風林さんの新作の帯「夾纈花文」を合わせたコーディネート。どちらも当店の別注色としてご制作いただきました。
飛び柄の小紋の特徴として「すっきりしたカジュアル感」があります。
写真のコーディネートでは吉田史さんの帯留めを合わせていますが、きちんと感のある繊細な帯留めも馴染み、素朴さは感じさせません。
当店の小紋は全てニュアンスカラーで大人っぽいニュアンスを加えてありますが、ご覧の通り、どこかに遊び心のある可愛らしさがあります。
気分を変える春、あなたを変える着物
春先のお洒落は「気分を変えよう!」という気持ちになるものです。
そんな心の動きに飛び柄小紋は、ベストの対応力を発揮します。
飛び柄の小紋は合う帯がとても多い着物です。今までは選らばなかった新しい雰囲気の帯や、お手持ち帯にも合わせやすく、懐の広さがあります。
着物は反物から誂える場合1ヶ月〜の時間が必要となります。
3月、4月ころ訪れる「気分を変えよう!」に間に合わせるには、2月のスタートダッシュがコツになります。
コーディネート守備範囲が広い飛び柄小紋なら、帯のコントロールがききますので、失敗は限りなく減らせます。
これは、2月に買うべき理由の1つ。衝動買いも安全と言うこと。
工芸染匠 成謙 「瑞雲」千成堂別注色
皆様のパソコンやスマホの環境でどのような色目に見えているかが気になるところですが、こちらはほんのりと淡く赤みの差した絶妙な薄灰梅色をしています。この絶妙な着尺の色目といい、飛び柄に配置された雲といい、可愛いからカッコよくまで幅広いイメージを堪能できる小紋となっております。
ニュアンスカラーは大人の女性までを素敵に見せる色です。「今」から始まり年を重ねても楽しめる一反です。
また、時間はかかりますが、配色をアレンジしてあなた仕様のオーダーメイド作品をつくることも可能です。顔映りの良い色目をぴったりにデザインさせていただきます。
明るい色めに感度が高まるのは、2月の「春前」
こちらは生地・柄・技法すべての面で「最良のコストパフォーマンス」の千成堂着物店オリジナルの飛び柄小紋です。こちらの着尺の色も角度や光でグレーに見えたり薄紫に見えたり本当に上品で繊細な色めで本当にじわじわと「良い」が感じられる小紋です。
制作サイドから言って、明るめの色味を寒い冬に考えるのはとても難しいことでした。
人間、気温や日差しのムードで色味の感じ方は変わります。春の空気がわずかに交じる2月、明るめの色味を考えるのは良いタイミングです。なぜなら分かりやすい。
刺繍の飛び柄小紋
アクセントに入る刺繍も同色で控えめ。気が付けば色無地感覚で手に取ってしまうでしょう。帯も薄い色から濃い色まで印象の変化を楽しめそうです。もちろんオーダーメイドも可能です。
春色が揃うのは業界的にも2月「春前」
これは業界的な話ですが、2月月初は呉服問屋さんの春夏の立ち上がり時期です。展示会が行われます。
きちんと仕入れをする呉服店はこの時期から動き始めるため、物理的に春物が揃う時になります。当店は大半がオリジナルや別注品のため、年がら年中入荷があるのですが、それにしても2月は入荷が多い時期です。
当店はもちろんですが、春物を揃えて検討できる2月はその意味でもお勧めです。
吉澤の飛び柄小紋
華文の飛び柄小紋は十日町友禅の名門吉澤さんの作品です。いわゆる染色メーカーさんの作品は「華やぎ」の演出に長けていて、この作品も柄の量感のある贅沢な仕上がりで着映えも満点です。そして日本で最大の振り袖制作を誇る吉澤さん、スケールメリットや「型友禅」のノウハウを生かしたコストパフォーマンスも随一。お買い得とはこのこと。
「春前」に秋をめがけて「特注の飛び柄小紋」をオーダーメイド
当店は特注品や別注品といったオーダーメイドの制作を最も得意としています。
この写真の蛍ぼかしも、配色はもちろん柄の大きさやぼかしの具合、柄の飛び方までデザイン。腕利きの染匠と完全オリジナルで制作した小紋です。
制作にはデザインの詳細な打ち合わせが必要な場合一ヶ月弱、染め加工に二ヶ月弱、お仕立てに一ヶ月〜(生地を変える、ゼロから織るなどになると更に時間がかかります)が必要になります。
2月から3月の春先からオーダーメイドと考えると、完成は6月から7月になります。そうです、このタイミングで出来上がると余裕を持って秋に間に合います。
時間のかかるオーダーメイドを考えるとき、半年前から動き出すべきだと私は思います。
蛍ぼかしの飛び柄小紋 千成堂着物店別注
不変の人気を誇る蛍ぼかしを当店流の現代的カラーにアレンジした飛び柄の小紋です。柄のぼかし具合までこだわった自信作。羽織へ仕立てるのもおすすめ。
飛び柄小紋で羽織を仕立てるという手も
飛び柄の小紋で羽織を仕立てるとこんなイメージになります。着映えしますし羽織物としてもおすすめです。道行や道中着としてアレンジするのも良いですね。
春前に仕立てておくと良い時期にアウター感覚で着られます。
飛び柄小紋は「春の手前」に買いましょう
「人間の色への感度が高まる時期」「業界的に春色が揃う2月が含まれる」「秋への完全オーダメイドが間に合う」
大きくまとめると3点ですが、初心者から上級者まで春の手前に飛び柄小紋をおすすめするのは理由があります。もうワードローブにお持ちの方はもちろん、これから揃えていく方まで、この季節の着物として「飛び柄小紋は「春の手前」に買いましょう」。