ポイントは質感と色味、宮古上布の着物に合う帯の選び方を考える

作品担当 井上英樹です。

先日入荷した新里玲子さんの宮古上布のコーディネートを担当 井上和子が早速考えてくれました。最近は「リモート和子」の異名をとる私の母です。

藍に星空のような美しい絣が印象的な宮古上布の着尺に、染織家 松尾鏡子さんの帯を合せたコーディネートです。このコーディネートを見ながら、宮古上布に本当に合う帯について考えてみましょう。

普通に考えると、宮古上布をはじめとする上布の着物は、いわゆる「夏」着物です。透け感のある夏帯がよく合います。

宮古上布は、最高峰の夏織物としての雰囲気があり、基本的には質感の欠ける廉価なものは合いません。夏紬の染め帯や、芭蕉布などの自然布、中でも上質な帯を選びたいですね。

ですが、糸の強い自然布の場合、繊細な上布にキズを付けたり傷めたりする可能性はどうしてもあります。また、夏紬の染め帯は上級のものを選べば選ぶほど帯の意匠が強く、繊細な新里さんの宮古上布の表情を削ぎます。

宮古上布は素朴な自然の糸で織り上げる自然布の一種ですが、献上品としても扱われた繊細な感覚の織物です。糸の強い帯を合せてしまうと、どうしても素材が負ける可能性はあります。

そこで、井上和子が選んだのは「すずし」という絹糸を使った帯でした。

すずしというのは「生絹」と書きます。別の読み方では「きぎぬ」です。読んで字のごとく、絹の糸のセリシンを除去せず、生に近い状態で扱う糸のことです。

この帯は染織作家 松尾鏡子さんが織った帯ですが、このすずしという糸が使われています。そのため、絹糸は自然のままの生成色を残し、また、ゆっくりと手でつくる糸は透け感とシャリ感を織物に与えます。

色味だけをみると、自然布にも似ていますが、輝きを奥に秘める繊細な雰囲気がこの帯にはあるのです。そのためか、新里玲子さんの宮古上布に合わせたときに、どこか洗練された表情をコーディネートに与えてくれます。

宮古上布に合う帯は質感と色味がポイントです。

自然布としての上布の風合いに近しい高い質感と、粗野になりすぎない品の良い色味。

これを満たす松尾鏡子さんの「すずし」の帯は、現在の手札の中では最も宮古上布に合う帯なのかもしれません。

しかし、ゴールではないでしょう。新しい視点はいつも生まれていますから。

作品担当 井上英樹

「着たい」「似合う」が間違いなく揃います

「自分の着物にあう帯を選んでほしい」
「ネットの掲載品を実際に見たい」
「合うサイズの草履がない」
「お洒落なコーディネートで揃えてほしい」
「着物が着にくいので、仕立て直したい」
「紬をはじめたい」
「似合うものをオーダーメイドしたい」
「式典のコーディネートを任せたい」
「芭蕉布や上布など、特上品が欲しい」
「染織家の●●さんの作品が欲しい」

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