【2021 迎春】お正月にふさわしい、付下げと袋帯のコーディネート

松の付下げとまいづる螺鈿の袋帯のコーディネート

お正月は、嬉しいことにいつもより着物を目にすることが増えますね。普段は洋服の方も、お着物を着たくなる方が増えるのではないでしょうか。そこで気になるのはお正月に装う着物の「ルール」です。

今回は、井上和子の「折角だから、お正月っぽいコーディネートをしたいね。」という想いから生まれた華やかなコーディネートをご紹介いたします。

まずは、菱一の京友禅とまいづるの袋帯のコーディネートです。

松葉の吹き寄せ柄の着尺は、今は解散した東京を代表する染匠 菱一 (ひしいち) 制作 京友禅の付下げです。

上品な艶のあるちりめん地に、しぼは小さくなめらかで、とろりとした質感の高級生地を贅沢に使用しています。 少し青みがかった明るさのあるグリーン系の色みがここにしかない繊細な色で、ぼかしも入るエレガントな地色に、柄は松葉の吹き寄せ、アクセントの松葉には銀糸の日本刺繍も入り、さらに高まる質感です。

吹き寄せ柄は、秋のイメージがあるかもしれませんが、松葉のすっきりとした縁起物の柄ですので、お正月にも是非楽しんでいただきたい逸品です。

西陣まいづる謹製 袋帯 引き箔の白地に耀虹螺鈿
参照:袋帯 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

美しい着尺に合わせるのは、また美しい帯。西陣織、名門老舗のまいづるの袋帯です。

白の引き箔地に螺鈿を織り込んだ曲線の帯です。 「耀虹螺鈿」と題がつけられていますが、金彩と螺鈿で細かなラインが入った5つの曲線が右上がりに配されています。 螺鈿がふんだんに使用されており、その繊細な仕事には圧倒されるほどです。

豊かな輝きがもたらす表情は、たいへん美しく魅了されます。 上品な華やかさとはまさにこの帯のことですね。

渡敬 帯揚げ 丹後ちりめん 白よごしに金糸の雪輪文様
参照:帯揚げ / 千成堂着物店 公式オンラインショップ
参照:扇子 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

逸品を上品にまとめ上げる小物は、帯揚げ、帯締め、共に渡敬さん。扇子は橋爪玲子さんの蒔絵の扇子です。こちら3点は晴れやかなコーディネートにご満足いただける特におすすめする小物たちです。

染の川勝 京友禅の付下げと鈴木織物の唐織の袋帯のコーディネート

続いてご紹介するコーディネートは、染の川勝の付下げ訪問着と鈴木織物の袋帯。(※仮絵羽仕立ての着装です。掛け襟の波打ちは、本仕立てではでませんのでご安心ください。)

染の川勝 付下げ訪問着 「雲ぼかしに六角箱」 空色〜勿忘草色(水色系)手描き京友禅
参照:訪問着 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

美しい京友禅の染卸として信頼の厚い、染めの川勝が表現する、内側から光を放つような上品な勿忘草色。空色から何段にもわけた暈し。 多段に染め分けた地は見惚れるような上質感です。

愛らしい六角箱を手描き糊糸目と金彩、ぼかしを駆使して繊細に描き込んだ工芸的な味わいの逸品です。花に、蒔絵に。箱一つ一つの模様に質感があります。さらに駒刺繍を効かせて作品を引き締める。 これが「京都のそめもの」・・職人の仕事に圧倒されます。

絵羽となっており、すっきりとした柄付けの訪問着という印象。生地はとろりとしたしぼ感の控えめな最高級ちりめん地です。

合わせる帯、織文意匠「鈴木」は、能装束や古典柄からインスピレーションを受け、上質な糸を惜しみなく使い織り上げる唐織や、季節を問わず締められる水衣錦など、古典的な美しさと現代的な雰囲気に定評のある名門です。 絹糸の艶めきを最大限に引き出す、ふんわりと盛り上がった唐織りは圧倒的な上質感があります。

こちらは「笹に波濤文様」の題を持つ袋帯。 その唐織の技法を生かした作品です。 立体感のある金糸で美しく表現した波、繊細な配色の笹。季節感を問わず楽しめる柄行きです。 白い地のすっきりした印象ですが、その糸の質感で袋帯の上質感を作りこんでいます。

合わせやすく、また一際に美しい。完成度の高い逸品に仕上がっています。

渡敬 帯揚げ 縫取花入蜀江 白と淡紅藤に金糸
参照:帯揚げ / 千成堂着物店 公式オンラインショップ
渡敬 帯締め 高麗矢羽根撚房 水色に金糸 正装用
参照:帯締め / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

付下げ訪問着と唐織の袋帯でつくるベーシックなコーディネートは、ワントーンの小物使いがポイントです。帯揚げ、帯締め共に渡敬さん。扇子は上と同一の橋爪玲子さんの扇子になります。

さて、迎春に相応しい華やかなコーディネートはいかがだったでしょうか。その昔、新調した綺麗な着物を着て新年を迎える「着衣始め」という文化がありました。現代ではそこまでとは言わないものの、やはり華やかに晴れやかに新年をお迎えしたいものです。お正月の着る着物に「こうでなくてはいけない」というルールはありません。ルールは無いのですが、言葉に「言霊」があるように、私は纏うものにも想いが宿る気がいたします。ぜひ、晴れやかな着物のコーディネートに、皆様の幸多い一年となりますよう祈りを込めて。

スタッフ マキコ

「着たい」「似合う」が間違いなく揃います

「自分の着物にあう帯を選んでほしい」
「ネットの掲載品を実際に見たい」
「合うサイズの草履がない」
「お洒落なコーディネートで揃えてほしい」
「着物が着にくいので、仕立て直したい」
「紬をはじめたい」
「似合うものをオーダーメイドしたい」
「式典のコーディネートを任せたい」
「芭蕉布や上布など、特上品が欲しい」
「染織家の●●さんの作品が欲しい」

お応えしてきた一例です。ご来店(予約制)はもちろん、メールやLINEでもお気軽にご相談ください。

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