あけましておめでとうございます。コーディネート担当の井上和子です。
昨年、作品担当 井上英樹のブログ記事「2021年の流行の着物コーディネートは「パーソナル化」と「足元」がポイントになる、いや、もうなっている」が公開されましたが、毎日、息子とはコーディネートのことを話したり、打ち合わせしたりしています。その内容をまとめて、書かれていますが、今年の発表はかなりお互い近い感覚でした。
通常、作品制作サイドとコーディネートサイドは意見が異なることも多いのですが、今回はほぼ同意見の内容となりました。
皆さんは、着物のコーディネートといいますと、どんなことが頭に浮かびますか?
今、この言葉は洋服でもインテリアでも、あらゆるものにつかわれます。では、着物はどうか?
私が思うに、着物でいうコーディネートは、洋服やインテリアとは意味が少し違います。
振袖だから娘さんらしく赤やピンク系が良いとか、訪問着に袋帯を締めて、帯締めは朱色を差し色にとか、紬は地味に見えるから八掛はえんじ色にしてなど、着る方のためよりも、昔からの決まり事で揃えることを意味していると思います。
カラーコーディネートやトータルコーディネートなどは、主に洋服のファッションの中で使われる言葉で、着物で使われるようになったのはごく最近だと思います。
ワントーンコーディネートが着物のイメージを大きく変えた。
このような着物の決まり事を否定するわけではありませんが、海外ブランドの流行なども自由に取り入れ着こなす現代の女性達は、型にハマった「決まり事」的な着物の着こなしには、違和感を感じるのではないでしょうか?
この疑問に上手に答えたのは洋服感覚の「ワントーン」な着物コーディネートだと思います。
洋服なら、ブラックコーディネートもオールホワイトのコーディネートも、当然ありです。
いままでは紺の着物に赤い帯のように、反対色の組み合わせが主流でした。
ですが、全体を白系やブルー系に揃えたり、ある意味で年配の方向けな渋いグレー系で統一するワントーンな着物コーディネートが大きく、視点を変えました。
これは、まさに洋服感覚と言ってよいもので、非常に新鮮に目に映ったのではないでしょうか。
洋服のコーディネートを考えてみてください。「赤い色味のニットだから、スカートは必ず補色の緑よね。昔からの決まりだし・・」とは、ならないですよね?
洋服のコーディネートと同じ感覚のトーンを合わせた着こなしは、洋服しか合わせたことの無い方にもきっと、腑に落ちやすかったことでしょう。これなら着たいと受け入れられたとおもいます。
当店のお客様のリクエストも【今風にしたい】【洋服感覚でまとめたい】がキーワードのようです。
着物では花嫁さんの白無垢か喪服になってしまうイメージがあるせいか、取り入れられていませんでした。ただ白百色、黒百色といわれますが素材によっても微妙に違いますし、ほんの少し色味が加わるとニュアンスが違います。それらを計算して組み合わせれば、面白みのある素敵なコーディネートが完成します。
これは、着物の選び方と洋服の感覚が、同時に生かせる希有な例でした。
2021年は個人の魅力を最大限に引き出す、パーソナルコーディネートの時代になります
そして、着物コーディネートは今年さらに進化すると見ています。
いうなれば、着物コーディネートという枠組みすらも出た、個性の演出のようなものになるのではないでしょうか。
着物上級者との評判が高い方がいらっしゃいますが、これは、実際に着物を着ていくなかで、自分自身の個性に合わせたコーディネートを完成し、そして、自身の体型も個性の一部として着付けを作りこみ、工夫する。
結果、身につく極めて個人的なコーディネートの感性。これこそが着物のパーソナルコーディネートだと思います。
2021年、私自身も挑戦したいことですが、この着物パーソナルコーディネートが、最も注目を集めるのではないでしょうか。
着物パーソナルコーディネートをどう手に入れるか?
ただ、そこまで到達するのは中々大変です。この記事を読んでいるあなたもそう感じたと思います。
ですが、このパーソナルコーディネートを、効率的に手に入れる方法が一つだけあります。
それは・・「客観的な視点」を入れることです。
インスタグラムや雑誌でもコーディネートが沢山紹介されていますが、ひとつの例であって、そのまま取り入れてもあなたの物にはなりません。一番大切なのは、それを身に着けるあなた自身の魅力、個性が生かされていますか?ということです。皆さんもそこで迷われたり、自信が持てなかったりしているのではありませんか。
そんな時、客観的な視点を入れることで、自身に本当に似合っているかが自ずと浮かび上がってきます。
パーソナルコーディネートの時代に私たちがお役にたてること
「役に立つのが店というもの」、ということで、私ができることを考えてみました。
私やスタッフがこの時代にできることは「プロとしての客観的な視点を伝える」ことだと思います。
中々、出歩くのもおっくうなのですが、今はWEBやオンラインという便利なものがあります。
私は今はリモートで仕事をしていますが、電話やメールをいただければ客観的なアドバイスもすることができます。
是非、今年は「個性を生かした・パーソナルコーディネート」に挑戦してみて下さい。そして、私がお役に立てるなら、ぜひお声掛けください。
コーディネート担当 井上和子