日本三大紬の一つ、本場結城紬。
ご存じ、紬織物の頂点であり、撚りをかけない無撚糸は世界でも類を見ない、極上の軽さと着心地があります。
様々な作品がありますが、これから紬を始める方や、色々な帯を変えて楽しみたい方にお勧めしたいのは「明るい」「無地」の作品たちです。
私自身、本場結城紬は絣の作品に強いこだわりがありまして・・。
というのも、本場結城紬は無地、飛び柄、八十亀甲、百亀甲、それ以上・・となると、糸の質や織り手の技術などが異なります。そのため、無地の本場結城紬の高機、というと「まあまあか・・・」とどこか一歩引いて見てしまうのです。
ですが、よくよく考えてみると
- 「これから紬を始めたい方」
- 「帯を色々楽しみたい方」
- 「ちゃきちゃき気取らず着られる着物が欲しい」
のように、リアルクローズとして、気取らない着物をお探しの方には、無地の本場結城紬は強い味方になると、新しい視点に気が付きます。
例えば、こちらのようなミントカラーの本場結城紬のコーディネートはいかがでしょう。
米沢の「雪花織」名古屋帯をワントーンに合わせたコーディネートです。
確かに、糸の質感や風合いは絣のものとは異なった感じを受けますが、帯との相性はよく、お洒落に着こなせるのではないでしょうか。
こちらも、無地の本場結城紬のコーディネートです。
西陣織の白陵苑大庭さんの帯「コプト」と合わせたコーディネートです。
こちらも、明るい爽やかな感覚が実に良い感じ。
そして、今度は水色系の本場結城紬と爪掻本綴れ帯のコーディネート。
配色を優先して選んでいると思いますが、日本工芸会正会員でもあり、綴織の表現に高い評価を得る、染織家 細見巧さんの帯を合せています。
非常に質感の高い帯ですが、配色の妙で、素敵にこなせていますよね?
わたし自身、工芸紬の大ファンですし、「できる限り史上最高の作品を!」と意気込むことは多々あります。
ですが、ですがですよ?
様々な帯とのコーディネートを楽しみたい方や、リアルに楽しめる程よいところをお探しの方、絣の紬の着こなしに迷う方には、無地の本場結城紬も、お勧めできるな・・と考えています。
もちろん、その方自身にお似合いになるか、ということは一番大切です。
青みのあるお色味が似合う方もありますし、温かみのあるお色味が似合う方もいらっしゃいますよね。
もし、「本場結城紬」を着てみたいな・・という方がいれば、まずは、お店に来ていただいて、実際にお顔映りを見てみていただきたいです。(本場結城紬に関わらず、いろいろ)
あなたがもし、コーディネート優先、リアルクローズ志向の方だとします。
だとすると、無地の本場結城紬と、素敵な帯はお好みに合うかもしれませんよ!
作品担当 井上 英樹
(記事内のコーディネート担当:井上和子 / 着装・着付け:マサエ)