タンスの肥やしという言葉、もうご存じない方もいらっしゃるかもしれません。
私も何年かぶりに思い出しました。
タンスの肥やしとは、新調した衣類がタンスにしまいっぱなしでほとんど着ていないことを言います。
衣替えの季節になり、今年はどんな着物を着ようかなとタンスを開けて、あら、こんな着物があったわ、全然着てないわ、無駄使いだったわ、との後悔でちょっぴり胸が痛んでいる方が結構いらっしゃるのでは。
何故そうなるのか、原因を突き止めないと、どんどん肥やしが継ぎ足されてしまいます。当然のことですが、タンスは成長しませんので、気が重くなるだけです。
原因は、細かい理由は色々あるかもしれませんが、大きく一つにまとめられます。
「帯や着物を単品でしかみていないこと」これです。
着物はコーディネートを頭において買わないと、確実に必要以上に増えます。
当店にも、気に入って買ったけど一度もしめていない帯や着物をお持ちになり、ご相談に
みえる方がいらっしゃいます。気に入った理由を伺うと、飾ってあるのを見て素敵だなとおもったから・・とのこと。それでは失敗するはずです。
自分の持っている着物を思い浮かべて手持ちのものと合うイメージがあれば良いですし、今後欲しい着物にも合わせられそうなら購入しましょう。
単にその場の雰囲気で買ってしまうには、高い買い物です。
私は、お手持ちのもの生かした方向を基本にアドバイスしています。安全な方法だとおもいませんか?
しかし、挑戦したいものがある時は、必ずあります。
コーディネートが難しそうでも、どうしても着てみたければ着物、帯、小物までワンセット
で購入してください。費用はかかりますが後から合うものを探すのも、結構大変ですし、着ない着物、合わない帯がふえてしまいます。
時間はあとから買えません。
今回はタンスの肥やしを減らし、増やさないために出来ることについてお話してみました。
物の豊かな現代、ちょっと油断するとどんどん増えていってしまいます。その為のお片づけの本がベストセラーになる時代です。
整理するのは、自分の考え方からかもしれませんよ?
コーディネート担当 井上和子