
作品担当 井上英樹です。
少し秋めいてきて、風が爽やかですね。
せっかくの季節ですが、コロナウイルスの影響もあり、海外旅行など娯楽が不自由な状況です。
聞いたところ、その反動か高級車など「趣味の高級品」市場が盛り上がっているようです。
ポルシェやフェラーリはバブルと言えるほどの売れ行きだとか・・・
人間は何よりも息抜きが大切ですし、豊かな体験は、人生そのものを高めてくれます。
娯楽や趣味というのは・・こんな時にこそ、人の心を動かすのかもしれません。
そんな近頃、なんと言いますか「うってつけ」な作品が入荷しました。
確かに値は張りますが・・・一生に一度は必ず体験していただきたい、最高の逸品です。

最高級の趣味着物「本場結城紬」の別注品

待つこと1年弱・・。
思ったより早く上がったのは、仕事量が落ち着いた、この時節を反映してでしょうか。
本場結城紬 小倉商店さんに当店の別注品としてお願いしていた、白い結城紬が到着いたしました。
これは以前、懇意にしていただいている、京都の紬問屋さんの展示会で仕入れた作品の復刻版。
完売していましたが・・無理を言って再制作を頼んでいたのです。
他では手に入らない贅沢な作品です
作品についての詳しい話も聞いたのですが、これは、限定1反の制作です。
産地の紬は絣糸をつくる関係で「制作ロット」がある場合が多く、産地の紬には普通、同一の作品が存在します。
これは業界的には「副反(ふくたん)」と呼ばれています。
今回の作品については1点ものとして制作されており、同一作品は存在しないようなのです。
まさに、当店の別注として小倉商店さんにいただいた特別の企画。まさに贅沢。
前置きはこのくらいにして、作品の解説に移りましょう!
本場結城紬の常識を覆すエレガントな「白」

今回の作品で一番の見どころは、その色味です。
ニュアンスのあるあたたかみのある「白」は、今、私たちが考える最も旬な紬のカラー。
ただの白では着こなしが少し照れますよね?
上質な真綿の糸特有の白すぎない白は、着姿に馴染みも良く、違和感を感じる方は少ないのでは。
上質なカシミアのように、糸の質感すらエレガント・・
本場結城紬の糸はほっこり感がありますよね。
これは、糸が空気を含んでいるからです。
真綿から手で糸をひき出すことで、世界にも類を見ない風合いがつくられています。
産地では、手掛ける作品のグレードにより、担当する職人が違います。
無地、飛び柄、総絣と難易度が上がりますが、もちろん、この白い結城紬も相当に高い技術の職人が担当しています。
このくらい細かい細工になると、糸自体が細いものになります。
糸が細ければ、織上がりは軽くなります。
細い糸による密度は落ち着いた艶めきをもち、実に上品です。
無地のものなど、糸の太いものと比べると、程よい薄さも感じることができます。
なめらかな素材感がエレガンスそのものです。
(地入れ・糊抜き前でこの風合い・・とてつもないですね)

この本場結城紬はどんな方のお役に立てるのでしょうか?
まず、本物志向の方。これは確実です。
本場結城紬はたくさん種類がありますが、この一反の持つオーラは本物です。
本場結城紬の真綿糸の良い雰囲気と、配色と図柄。
全てが高度に溶け合い、得も言われぬ上質感を着る方に演出します。
そして、お洒落に一言ある方。
着物だけでなく、洋服でも自身の彩に妥協しない。アートも好き。
そんな感度の高い生き方のあなたには、必ず刺さる作品です。
今を生きるあなたに、本場結城紬をお届けいたします

紬の中でも格段の完成度を誇る紬は、なんといっても「本場結城紬」です。
確固たるブランド力がある紬ですが、それは、一言で言えば、妥協なく創り上げられたその品質と風合いへの評価です。
無撚の紬糸のもつ空気を含んだ温かみと軽さ、手括りの絣の持つ、繊細で味わいのある表情、三代着られる程の堅牢さ、全ての次元が織物の中でも突出しており、確実に世界最高の衣類の一つだと思います。
それに袖を通す贅沢な体験を想像してみて下さい。
そして、白の紬はトレンド感のある提案です。品質だけでジャッジするのではなく、コーディネートや着こなしを楽しむ作品として見ても、ここまでにお洒落な紬は存在しないのではないでしょうか。
この配色と作風には伝統的な技法を一歩も二歩も進めた、先進の感性を感じます。
このすべては品質とお洒落感に妥協しない、格別な満足をお探しのあなたのために存在します。
作品担当 井上英樹