コーディネート担当の井上和子です。
最近はファッション誌にも、着物が特集されていたり、モデルさんやタレントさんのお洒落着物としてアンティーク着物が、紹介されていて「可愛い、おしゃれ」などのコメントがたくさん付いています。
決まって、現代の染織家の作品などは登場せず、必ず、アンティークなのです。
もちろん、私も今は作ることができないような時代ならではの作品は眺めて素晴らしいと思っています。ですが、「実際に着たい、大人のお洒落な着物」としては・・私はあまりです。
なぜ、「大正ロマン」や「アンティーク着物」だけがお洒落といわれているのでしょうか?
確かに、明治から大正時代にかけては、西洋の様々な文化がはいってきて、和洋折衷の自由なファッションを楽しんだようです。
大きく色鮮やかに描かれた花や大きな矢絣の着物、柄オン柄の組み合わせ、ハットやブーツ、中にハイネックのシャツと盛りだくさんな雰囲気は目に新しく、可愛い。
ですが、大人の取り組みとしてなら、アンティークらしく見えるものを集めて身に付けなくとも、お洒落着物コーディネートにすることは出来るとおもいます。色柄のやたらと派手なものをかさねるのではなく。
もし、大人がアンティークを取り入れるなら、「本物」でかつ「小物」が良いのではないでしょうか。
まず、本物のアンティークを選ぶことは大切です。最近のブームでもありますのでよく見かけますがポリエステルに派手なプリントをした着物などは避け、半襟一枚でも本物を選びましょう。
帯どめ、かんざし、帯飾りにはアンティークだけにしかない、雰囲気の良いものもあります。
アンティークというからには高価ですが、今では手に入りにくい、べっ甲や珊瑚、象牙などの細工物をワンポイントに使う。これは、絶対にお洒落ですし誰もが羨むコーディネートです。
私は、アンティークだけがお洒落だとは全く思いません。特に大人の女性なら、その感性を生かした、素敵な今の着物コーディネートを考えて、楽しんで欲しいのです。
コーディネート担当 井上和子