「礼装・晴れ着」の考え方。
格式あるお席には、伝統を踏まえた装いを。
千成堂では、紬などの織のお着物に力を入れておりますが、年末年始や春の季節には何かと行事も多く、出席する場にふさわしいあらたまった装いが必要になると考えています。
最近は、紬地の付下げや訪問着なども目にしますが、華やかな友禅や辻が花染めなど、染の着物も晴れやかですがすがしい雰囲気があり、とても良いものです。
晴れの席には伝統的な装いが素敵な理由。
時々ご相談いただくのですが、振袖や留袖に洋服感覚の着物やバッグを選びたいということがあります。
しかし、私共の考え方としては、晴れのお席の披露宴や格のあるお茶席などには、伝統を踏まえた装いがしっくりするのではと思っております。
親しい人達のパーティや年代の近い方たちの集まりの場合は、それも個性的で素敵ですが、例えば結婚披露宴やお茶席など、出席者の年齢の幅も広く、目上の方達も多い場では、あまりお勧めできません。
そのようなお席は、個性よりも品格や格式、 伝統を踏まえた装いがふさわしいと思います。
自分の個性を主張する、という事よりも場の空気や格式を丁寧に汲み取り、感じていく・・それはとても素敵なことです。
礼装、準礼装をお洒落に着こなすには古典柄がポイント。
礼装や準礼装(訪問着・留袖・振袖など)の着こなしに当店がお勧めしているのは古典柄です。
しっかりと基本を踏まえた、隙の無い礼装着物コーディネートを考えたとき、帯か着物どちらかに格調高い古典柄を選ぶだけで、改まった雰囲気になります。
1. 京加賀友禅で四季の花々が優美に描かれた訪問着。
華やかな京友禅の付下げ訪問着に螺鈿の帯をコーディネートしています。
着物の地色は、お顔映りの良い淡いオレンジ系のベージュ。また、1つ紋がついて、よりフォーマルになっています。
帯は正倉院文様、まさに古典柄。
ワントーンで帯締めまで揃えるのがここでもお洒落のポイント。
華やかで正統派の装いですが、配色に統一感を持たせればお洒落なコーディネートが完成します。
2. 若菜色のすがすがしい辻が花の訪問着。白の伊達襟を重ねてボリュームを出し、上品な華やかさを。
人気の辻が花文様、若菜色が清々しい付下げ訪問着です。
帯も辻が花でトータルコーディネート。女性らしく優しい組み合わせです。
こちらも帯に古典柄を合わせ、フォーマルで正統派な着こなしを目指しています。
また、伊達襟もポイント。伊達襟は白を使うほうがフォーマル感が出ます。
場に合った装い、一番素敵です。
確かに当店のお勧めコーディネートとして”着物×洋服感覚のブランドバッグ”があります。
しかし、礼装の場を考えると少し慎重に考えるのがお勧めかもしれません。
配色”だけ”を考えるとまとめることができるバッグはたくさんあります、しかし大人のマナーとしても基本をしっかり守った着こなしが「素敵!」と評価されるのではないでしょうか。
バッグも礼装なら、つづれ錦や佐賀錦など裂地のものがぴったり来ます。また、草履も同じですね。
その場、格式すら余裕を持って楽しむ。
そんなスマートなスタイルも素敵だと思いませんか・・?