リサイクル大島紬をお洒落に着こなす。外さないコーディネートのコツ、選び方とは?
日本で一番有名な高級着物、それは大島紬。
今、高級リサイクル着物で一番目にする着物はなんでしょうか?それは恐らく、大島紬ではないでしょうか。
長年、高級着物の代名詞として人気を集め、非常に多く販売された歴史を持つ、そんな側面もあります。結果として、非常に多くのリサイクル市場で大島紬が流通しており、なんというか値崩れを起こしているように感じます。
私は、大島紬独特のシュッシュッという裾さばきの音も、サラリとしてシワになりにくい着心地もとても好きです。しかし、今の視点からお洒落に着こなせるものをリサイクルから選ぶのは難しいと感じています、正直なところ。
呉服業界が、高級品として混んだ柄を販促し続けた結果(もちろん手が混んでいる分、高価であることは間違いありませんが)、現在、現代の着物の流行から大きく離れた大島紬が大量に流通しています。
もちろん、そんな”リサイクル大島紬”の中にもヴィンテージとして価値を持つような、素晴らしいスタイルと雰囲気を持つ逸品が隠れています。今回はそんなリサイクル大島紬から、現代に合うコーディネートが可能な、”ヴィンテージ”大島紬を発見するコツをシェアしていきたいと思います。
人気の大島を見ぬくコツ。それは”染め”にあった。
日本の絹織物の代表とも言える位に歴史もあり、名前も知らない人が居ない位に有名ですが、その分たくさんありすぎて、どれが良いのか選びにくいとも思いませんか。まず、大島紬を構成する要素、”染め”で分類してみましょう。
藍大島 植物の藍で染める
泥大島 テーチ木と泥染めで繰り返し染め、茶色から黒色までの色がある
色大島 染料での染め糸で色絣を織り出す
白大島 白糸と染め糸で文様を織り出す
※非常に簡単にいえば、この四種類ですがその中間の物もありますので多種にわたります。
今、大島紬のコーディネートを考えた時、一番にチェックしたいのは”白大島”です。
”明るいトーン&同系色でシンプルな着こなし”を最旬トレンドとして見かける現代、白大島はトレンドにピッタリくる着物の一つです。また4種の中でも優しい雰囲気が一番強いと思います。さらっと合わせるだけで、”女性的で素敵!”と分かりやすいアピール力を持っています。まず、リサイクル(アンティーク?)大島紬に挑戦するなら、白大島の状態良いものを探してみましょう。まず、外れはありません。
参考:当店の在庫状況(ヤフオク店)、白大島も定期的に入荷いたします!
黒が好きなんです、私。
さて、そうは言っても・・ダークトーン、黒&グレーが好きな方も多いでしょう。(ワタクシは黒が好きです、白より!)膨張色である白は、すこしコーディネートを間違えるとぼやっとして野暮ったいのも事実。また、体系カバー的にもイマイチ、これは大きい。
そこで、白大島以外でどう選んで、どう着こなせば、お洒落でカッコよいかとの視点からも選びます。こちらではいかがでしょう!
本場奄美大島古代染色 泥染め 平田隆蔵氏 作の逸品です。ブラック系、しまったカラーリングが最高。染め帯とワントーンで隙なくコーディネートしてみました。藍大島と純泥染めを組み合わせた、非常に高度な技法で染め上げ、手織りで織り上げた、たまらない逸品です。
ヴィンテージとも言える位以前のものですが、黒と藍で大胆な幾何学模様に織られた現代に充分に通用するモダンな柄行です。残念なことに八掛けの色が赤系で、今着るのには、ちょっと違和感がありました。その為八掛けの色を着物のなかの1色藍色に替えました。同時に洗い張りをしてありますので、汚れも落ち一層冴えた色になり価値が増したように思います。
参考:こんなに変わる、結城紬の究極コーディネート術。洗い張り&仕立て直し!
黒ならバッグも生きます。迫力のあるエルメスのクロコにも相性最高。
参考:”着物に合うエルメスとは?”の最終回答。クロコダイルポロサスのケリーバッグ32cm
コーディネートは、この着物のために誂えたような藍色の濃淡の染め帯、そしてバッグはエルメスの最高峰、クロコのケリー32でまとめて見ました。バッグに非常に迫力があり、コーディネートを選びますが、こちらのように選び抜いた黒系のシンプルな大島紬コーディネートなら、隙なく決まると思います。
大島紬のコーディネート。まとめ。
コーディネートのコツなのですが、”シンプルな柄行&モノトーン”に徹すれば、かなり現代的に着こなせると思います。白大島紬や、黒系のシンプルな柄行は常にチェックしておきたいところです。
もちろん、色大島や混んだ柄行きにも良い大島紬は沢山あると思います。また、発掘の旅に出ようと思いますので、皆様応援宜しくお願いいたします。大島紬、楽しいですよ。