単衣の着物を着るとき「帯をどう合わせるか」で印象は大きく変わります。
特に、結城縮のような上質な単衣着物や、芭蕉布のような夏帯は、素材に特別な魅力がある分、コーディネートのバランスがとても大切。

この記事では、弊店のコーディネート担当「マサエ」がつくった、石下結城縮(奥順)・喜如嘉の芭蕉布・武村小平さんの絽帯揚げを使用した単衣コーディネートを例に、着姿を美しく整えるための3つのポイントをお伝えします。
チェックポイント1:着物と帯の「季節バランス」を合わせる

石下結城縮は透け感なし、シャリ感ありの単衣向き生地です。5月下旬~6月、または9月の初旬にかけて最も着やすく、涼感と品格を兼ね備えた紬系の単衣の王道。シンプルなこちらは帯が非常に映えます、初心から上級者までおすすめです。

喜如嘉の芭蕉布は「単衣時期から合わせられる夏帯
」です。こちらのような藍のものは、八寸仕立てでも透けすぎず、色合いも落ち着いているため、夏の始まりや終わりの「つなぎの季節」に最適な名古屋帯です。ご存知、垂涎の帯。入手困難な逸品です。
ポイント:
結城縮と芭蕉布を盛夏以外に着る場合、「着物が軽すぎないか」「帯が落ち着いた色味か」を必ずチェックしてみましょう。気温だけでなく、“見た目の季節感”が合っているかどうかが、着姿の印象を左右します。
チェックポイント2:主役小物は“引き立てて見せる”

今回のコーディネートの主役は、武村小平さんによる絽の帯揚げ。絹の絽ちりめん地に、着物や帯の型を用いた型染めを施した贅沢な一枚。芸術性と涼感を兼ね備えた帯揚げです。

帯揚げを主役にしたいときは、他の小物を引き算でまとめるのがおすすめ。
チェックポイント:
帯締めは細め・無地・控えめな色を選び、帯揚げを引き立てる。芭蕉布の帯の柄や織りが強すぎないかチェック(自然な表情がベスト)帯揚げと着物・帯との色調バランス(明度・彩度)を整えると素敵。
チェックポイント3:快適さと美しさを“襦袢と肌着”で整える

単衣の装いは「暑さ対策」と「見た目の美しさ」の両立が大切です。
チェック:
肌着・長襦袢は麻や絹麻など通気性の良い素材を選ぶ
見た目の美しさだけでなく、肌に触れる心地よさにもこだわることで、装い全体が格上げされます。さらりとした肌触りは、装う人の気分まで軽やかにしてくれます。麻の襦袢を少し先駆けた季節に着るのはお勧めのテクニックです。洒落着物に限れば、通年 麻の襦袢という方もいらっしゃいますね。
まとめ:3つのチェックで「単衣」を存分に楽しみましょう!
季節感のある組み合わせ(結城縮×芭蕉布)
帯揚げを主役に引き立てるバランス設計
快適さと美しさを下着と仕立てで支える
この3点を押さえることで、結城縮や芭蕉布といった伝統素材の魅力を最大限に引き出すコーディネートが完成します。特に喜如嘉の芭蕉をはじめとする自然布八寸帯は盛夏だけではなく、初夏や晩夏にも締められます。今回の結城縮など単衣の紬にはもちろん相性がよく、着映えも満点です。
3つのチェックポイントはほんの一例です。あなたらしい着こなしを見つけるヒントになれば幸いです。
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