夏の着物選びに迷われる方にこそ今おすすめしたいのが、「絽の色無地」です。
透け感がありながらも上品で、夏のフォーマルな席からカジュアルなお出かけまで対応できるこの一着は、夏の装いにおける“安心の一枚”。
今回は、千成堂着物店が配色から染めまでこだわり抜いた特別な「絽」の色無地と、それに合わせたコーディネート・着用シーンをご紹介いたします。
絽の色無地のコーディネートと着用シーン

コーディネートで着用する絽の色無地は弊店のオリジナルです。新潟県・五泉で織られた貴重な駒絽生地(一流染匠や工芸作家の付下げ・訪問着にも使われる、最上級品)を贅沢に用いています。機屋さんの廃業や生産調整の影響で、こちらのような重めの絽の生地は現在では入手困難になりつつあります。

通常の軽い絽では得られない「とろみ」と「控えめな艶感」があり、着る方に品格を添えてくれます。また、絹の密度と織りの技術により、嫌なしわが出にくいという特長も。涼しさを感じる透け感と、美しい落ち感が共存する、まさに“夏に着たい上質”を体現する一枚です。
染めは京都の手引き染め工房にて一枚ずつ手作業で行い、他にはないニュアンスカラーを実現しました。こちらも落ち着きのある洗練された色味です。
着用シーン──フォーマルから上質なカジュアルまで
絽の色無地は、盛夏のフォーマルシーンから、ちょっとしたお出かけまで、幅広く活躍する着物です。
たとえばこんな場面で:
- お茶会・お稽古
- 盛夏の友人・知人の結婚式や披露宴
- お仕事関係者とのパーティー、社交の場で
- 友人との食事会、観劇などに上質なお洒落着として
合わせる帯や小物によって、正装にも、控えめなフォーマルにも、軽やかな洒落着にもなります。まさに「応用力のある一枚」です。
着こなしのコツ──季節感と格をバランスよく

着こなしのポイントは、「素材の軽やかさ」と「帯周りでの格の調整」です。
今回は比較的格調のある装いをコーディネートいたしました。鈴木織物の袋帯(水衣錦)を合わせました。能装束「水衣」をモチーフにしたこの帯は、シャリ感と軽やかさを兼ね備えた逸品。裏には紗のような織地を使用しており、夏から単衣の時期にかけて最適です。すっきりとした印象ながら、上品な金銀糸が織り込まれ、絽の色無地とも非常に相性がよい一本です。

帯締めには、千成堂が京都の組紐工房に別注した手組のものを使用。いわゆるレース糸の夏物は使わず、格調のあるコーディネートを目指しました。この帯締めは、利休白茶と紺のコントラストに銀糸を添え、フォーマルから洒落着まで幅広く対応する“セミフォーマルの新定番”として制作した他にない逸品です。

帯揚げは白練(しろねり)のオリジナルカラー。コシのある五本絽生地を使用し、しっかりと結べる安心感。控えめな銀糸がフォーマル感を持ちつつ、清涼感を演出してくれます。
足元までぬかりなく──草履で完成する夏の上質コーディネート

装いを美しく整えるうえで、意外と見落とされがちなのが「足元」。
どれほど着物や帯が素敵でも、草履がそれに見合ったものでなければ、全体のバランスが崩れてしまいます。
今回ご紹介する絽の色無地に合わせておすすめしたいのが、京都の和装小物ブランド「衿秀」さんに別注した、千成堂オリジナルの草履です。
鼻緒には、極めて控えめでありながら確かな存在感を放つ「吹雪」刺繍のもの。現代的なセンスを感じさせつつ、和装の足元としての品格を大切にした一本です。付下げや訪問着といったフォーマル着物はもちろん、今回のような色無地や、上質な小紋、織の着物などにも違和感なく馴染みます。
エナメルの本革素材は、程よい艶感としっとりとした質感が特徴。ニュアンスのある灰みのクリーム色は、まさに“洗練”を体現する色合いで、どんな着物にもすっと溶け込みながら、さりげない華やぎを添えてくれます。
また、職人による「三本すげ」を採用し、芯には麻を三本通すことで、型崩れしにくく、快適な履き心地を実現。すげの調整や修理、メンテナンスも承っておりますので、安心して長くご愛用いただけます。
夏の装いに、ひとつ上の満足感を
夏の着物というと「暑い」「扱いが難しそう」という印象を持たれることも多いですが、上質な絽の色無地はそのイメージを大きく変えてくれるはずです。しわになりにくく、品よく映える絹の力を、ぜひ肌で感じていただきたい一枚。
お稽古や改まった席、そして大切な人とのお出かけにも。千成堂がご提案する「夏の色無地」を、あなたの装いに取り入れてみませんか?
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