丹後の機屋と京都の染工房が紡ぐ、上質な一枚

春の雨にしっとりとけぶる今日。そんな静かな光に似合う、待望の新作帯揚げが届きました。
今回ご紹介するのは、丹後の機屋に一から別注し、染めは信頼の京都の染工房に依頼した特別な帯揚げ。手に取った瞬間に感じる、しっとりとしたコシ、ふんわりと豊かな質感。そして織柄を引き立てる上品な銀糸のきらめき。織りと染めの美意識が調和した、まさに「一枚で語れる」最上級の一品です。
上品に揺らぐ銀糸の光と、織りの存在感

緯糸には、節のある糸を用いて織り上げましたが、一般的な節糸に見られる粗野な風合いとは一線を画し、あくまでも「上品なゆらぎ」にこだわって仕上げてもらいました。さらに銀糸をほんのりと散りばめることで、抑えた華やぎが生まれ、どんな光の中でも繊細な存在感を放ちます。
染めを担当したのは、弊店の帯揚げを手掛ける京都の染工房。特殊な節糸・銀糸の風合いを損なわず、染料に浸して丁寧に染め上げています。染め上がりの色味には、職人の感性がしっかりと反映され、どの色も奥行きのある美しさを持っています。

この美しさは、帯との相性でさらに際立ちます。たとえば、勝山さと子さんが手がけた袋帯「フランス装飾文(千成堂別注)」との組み合わせ。地紋に溶け合う白茶の極細糸が織りなす陰影も美しく、格調の中に柔らかさを感じさせる帯です。付下げや訪問着にふさわしい品格、色無地や小紋にも溶け込む合わせやすさがあり、この帯揚げの控えめな煌めきと絶妙に響き合います。

もうひとつ、「フランス装飾文」の帯との組み合わせもおすすめ。フランスの伝統的な文様をベースにした洗練されたデザインは、光を抑えた銀糸の美しさと調和し、春の装いを静かに引き立ててくれます。濃淡を問わず幅広い着物に合わせられる帯だからこそ、この帯揚げの色彩のニュアンスがより際立ちます。
配色の監修はコーディネート担当の一人、マキコ

色味は弊店のコーディネート担当の2人目 マキコが主となり「帯がより美しく映えるように」との想いをコンセプトに、織柄(鱗・唐草)との調和も考えながら、一色ずつ丁寧に選んでいます。
色選びの際には、勝山さと子さんのセンスあふれる帯作品を眺めながら、「この帯に映える色とは、どんな色だろう?」と想いを巡らせたことも、配色の大切な出発点となったと聞いています。
上級者にも、初心者にも。扱いやすさと使い勝手の妙。
この帯揚げの魅力は、見た目の美しさだけではありません。
しっかりとした地風があり、帯まわりをきちんと整えたい方にも安心。裏と表でわずかに艶感が異なるため、合わせる着物や帯に応じて、格調の微調整も可能です。上質な着こなしを追求される上級者の方にはもちろん、初めての方にも間違いのない一枚として自信を持っておすすめです。
なお、こちらのお品は製法上、再制作ができない一点ものです。オンラインショップおよびご予約制の店頭にて、ぜひ実物をご覧ください。
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