森田空美の「きもの塾」、永く着られる「30年きもの」教えます。
着物研究家の森田空美(もりたあけみ)さんのムック本、森田空美の「きもの塾」これは本当にお勧めの一冊です。
森田さんの提唱する、知的で都会的な着物コーディネート哲学が詰まっています。
森田空美さんについて
森田空美の書籍シリーズ|小学館
小学館のホームページ上に特設サイトがあり、書籍シリーズも確認できます。
森田空美(もりたあけみ)さんは東京・南青山で、きもの教室を主催しているきもの研究家さんです。
グレーやベージュを基本とした、”上品で知的、都会的な着こなし”を提唱しており、そのコーディネートセンスは通好みの着物ファンに支持されています。また、その着物哲学も影響力があります。
森田さんの着物哲学。
「行きついたのは無地感覚のきものです。」
「高価なきものでも、一生のうちに数回しか袖を通さないきものをお持ちではありませんか?それはもったいないですよね。」
「自分で選んだ着物を30年でも40年でも楽しんで着続けるために考えることとは何でしょう?」
「アンティークきものを楽しむという趣味もありますが、それは都会的なセンスとは異なります。」
「パーソナルカラーを決める。」「無地感覚で糸に力のある生地を選択する。」
出典:森田空美の「きもの塾」、文章より
確かに高価、でも派手すぎる、似合わない、しっくりこない。そんな着物ありませんか?
年齢が若くなるほど、一般的には派手さの強い、華美な配色のコーディネートになる傾向があります。着物を楽しむ上で、華やかな色や柄行きは本当に魅力的です、しかし年代を超えて愛用するというのは現実的に考えて難しいです。(一般的に20代の頃に進められる華やかな着物は、60代になってからは着られないですよね。)
シンプルで上質な無地系の着物を、自分に合った配色で選び、着こなす。愛用する。
まさに知的な着物哲学ではないでしょうか。
着物の小物をどう考えますか?
腕時計のコーディネート哲学も必見です。
着物はもちろん、そのコーディネートを仕上げる小物についても、森田さんの哲学が紹介されています。
例えば、腕時計。
一般的に腕時計は着物を着るときには”ふさわしくない”とされていました。デリケートな正絹(シルク生地)で作られていることもあり、袖口を傷つける恐れがある。また、伝統の着こなしルールから外れるというのが主な理由のようです。
しかし、
「時間に追われる現代では、和装のときも時計は必須です」
「袖口に手をそえて時間を確かめる。きもの姿ならではの優雅な仕草です」
引用:森田空美の「きもの塾」
と独自の視点からの回答。さすがです。
腕時計は生活必需品です、確かに”着物だから時間がわからなくても良いや!”は現代の日本では現実的ではないですから。
(注:きものの仕事の時は、生徒さんの着物を傷つけないよう外しているようとのこと。配慮やマナーは当然ですものね。)
紙面でもおすすめの時計やコーディネートが紹介されています。
華やかな付け下げなどフォーマルなコーディネートではダイヤ入り。
友人と楽しむディナーにはトワルベルト(布)。
上質な普段着にはちょっと遊んで革ベルト。
シーンを想定したコーディネートやおすすめの時計も写真で提案されています。
上の写真で付け下げにコーディネートされているのはシャネルのプルミエール・セラミックです。少しフォーマルな着物にシャネルっていうのもいいですね。素敵すぎます。他にもカルティエ、ヴァンクリーフ&アーペル、ジャガールクルトなどため息の出るような素敵な時計がたくさん紹介されています。
シャネル – ウォッチ – 時計
こちらはシャネル公式サイト、個別ページは”プルミエール セラミック”で検索してみてください。
バッグの哲学、さらっと着物にバーキンが登場、そして・・・
引用:森田空美の「きもの塾」
やっぱり気になるのは、着物とバッグのコーディネート。
「着物めぐりに出かけませんか?」という題名で、特集ページがあります。
京めぐり、2泊3日の旅行、日本橋散歩と3つのシーンが提案されています。お出かけ用のお洒落着コーディネートにはやはり紬の着物です。
やっぱりエルメス×着物は外せない。
コーディネートで多く提案されていたのは、目立ってエルメスでした。バーキン30のネイビー、ケリー32のエトープ、プリュム28のブラックあたりをコーディネートに見つけることができます。(写真ですので、サイズやカラーは推測です・・申し訳ありません。)
紬のコーディネートは一つ間違えるとカジュアル色が強すぎて、大人、知的というテーマからずれてしまったりします。
しかし、エルメスを合わせると、上品さが引き立つ一つ上のコーディネートが完成します。
参照:着物に合うバッグの最高峰 ”エルメス バーキン” 和装コーディネート4つのコツ。
着物の知的で上品な着こなしを学ぶのに最適な一冊。
「大人の知的きものは30年構想で行きましょう。」
「自分で選んだきものを30年でも、40年でも、楽しんで着続けるために考えるべきことはなんでしょう?」
引用:森田空美の「きもの塾」
飾り立てるのではなく、本当に自分に似合うものを選び抜き、あくまでも知的に、そしてお洒落に楽しむ。着物を極めた一つの形かもしれません。
大人の知的なきものスタイル、素敵に着物を着こなしたいあなたは是非手に取ってみてくださいね。
また、一貫して美しい写真で構成されており、眺めているだけでも着物センスがアップすること間違いなし・・・?
森田空美の「きもの塾」、永く着られる「30年きもの」教えます。(和樂ムック・小学館)
人気きもの研究家の“着倒しきもの”決定版
大人の知的きものは、
「30年構想」でいきましょう!和樂ムックシリーズ第15弾は、
都会的な着こなしで絶大な人気を誇る森田空美さんの「きもの選び」。
40代、50代、60代になっても着続けられるきものを伝授します。
「私が思う“一生もの”とは、親子代々受け継いでいく・・という意味だけではありません。年に3,4回でも、30年着続ければ100回。自分自身が何十年も着て楽しめるきもののことです」(森田空美)森田流、基本は無地感覚のきもの/季節と行事ごとの賢いきもの/
旅先での活躍きもの/持っていると役立つブランド小物/
檀れい、安藤優子、森田好みを着こなす・・・など、
30年間役立つ情報満載。
引用:https://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784091054661