この秋に見つけたい!魅力あふれる「本場結城紬」のコーディネート5選

本場結城紬 「エ霞文 80亀甲」 袷着物 リペア済み 紫紺色 (身丈159.5cm/裄丈66cm)
参照:結城紬 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

「本場結城紬」と言えば、それは憧れるものであり、憧れから一度手を通せば着心地の良さを知り、動けばしわになりにくく、そして何より何年、いや何代と渡って長く楽しめることが出来ると言われているお着物。その様なお着物をリユースで楽しめるとなれば、それは風合い的にも価格的にも大変良いのです。ただし、良いとは分かっていて気に入るものが見つかったとしても、リユース品で探すと、どうしても困るのが「サイズや商品の状態」です。

そんな方には、心から当店のリユースコーナーをご覧いただきたいと思っております。洗い張りから始まり、胴裏は新品、八掛も現代に合う色を新品から選び、サイズも可能な限り多くの方に合うようリサイズでお仕立て直しをしております。

今、当店では、特にワクワクするような本場結城紬が揃っております。そんな充実している結城の中から、今回は帯と合わせた数点をご紹介してまいります。

本場結城紬 「エ霞文 80亀甲」

本場結城紬 「エ霞文 80亀甲」 袷着物 リペア済み 紫紺色 (身丈159.5cm/裄丈66cm)  
参照:結城紬 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

先の画像で使用したコーディネートのお着物は、80亀甲で古典文様の一つエ霞(えがすみ)を織り出した結城紬です。

とにかくこちらのおススメポイントはその「色」。紫系の地色は希少色です。華やぎと落ち着きを両立した色味で、クラシカルな中にも現代の帯とリンクするすっきり感があり、帯合わせが楽しい作品です。既に何枚か結城をお楽しみの方にもおススメしたい、楽しみの幅が広がる一枚です。

佐久原祥 「首里花織(首里織) 帯地」 九寸名古屋帯

佐久原祥 「首里花織(首里織) 帯地」 九寸名古屋帯 桜鼠色
参照:九寸名古屋帯 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ
佐久原祥 「首里花織(首里織) 帯地」 九寸名古屋帯 桜鼠色
参照:九寸名古屋帯 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

合わせた帯は、沖縄県の首里で織られる花織「首里花織」の作家 佐久原 祥(さくはらあきら)さんの手掛けた九寸名古屋帯地です。ログウッド、インド茜、ヤマモモと一部化学染料を併用した草木染で描く色味は、ご自身が好きな「夕風が吹く晩夏の海岸沿い(instagramより抜粋)」とのこと。

質感から、上質な紬や織の着物に最高の相性です。濃いお色に、また、近年注目を集める明るめのお色の着物にと幅広くお楽しみいただけます。

有りそうで無い、とても優しい上品な紫みが印象的な作品です。心穏やかに、夕風に揺れる景色に包まれるように柔らかな着姿をご堪能ください。

本場結城紬 「微塵縞」 地機 に 藤娘きぬたや 「絞りの帯 千成堂別注」 九寸名古屋帯 を合わせて

<リユース>本場結城紬 「微塵縞」 地機 小倉商店 袷 白鼠色(白糸・黒糸のグレー系)
参照:結城紬 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

こちらのお着物は、小倉商店さんの手掛けた本場結城紬です。白い糸と黒い糸を隣同士に並べ織り上げた微塵縞、一反の内に縞と横段を崩しのように織り変えた凝った逸品です。


工芸染織の専門問屋さんの別注であることも読み取れ、純国産の日本の絹の証紙も残っており、蚕の品種から全て記載有り。実は、通(染織マニア?)が反応する超ハイレベルな逸品です。いわゆる絣の凝り具合を見るのではなく、地風や着物全体が持つ雰囲気をさりげなく楽しむ・・・ここまで染織哲学的な作品に突如出会えるのもリユースの楽しさ。極めて希少、結城紬ファンならコレクション級です。

マニアックな話まではちょっと理解が追い付かない…という方も、きっと、ご覧いただければ、こちらの結城は少しカッコいいことがお分かりいただけますでしょう。白と黒のシンプルな織りなのですが、その織の中にはゆらぎやリズム感が感じられ、また「節」も雰囲気の仕上がりのアクセントに効いています。こちらのお着物は、お着物だけでは少しカッコ良すぎるかもしれません…その様な時は、コーディネートした様な色気のある帯を合わせて絶妙なバランスをお楽しみください。

藤娘きぬたや 「絞りの帯 千成堂別注」 九寸名古屋帯 勿忘草色(ニュアンスのあるくすんだ水色)に薄灰色
参照:九寸名古屋帯 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ
藤娘きぬたや 「絞りの帯 千成堂別注」 九寸名古屋帯 勿忘草色(ニュアンスのあるくすんだ水色)に薄灰色
参照:九寸名古屋帯 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

合わせた帯は、絞りの最高峰として知られるブランド「藤娘きぬたや」さんの九寸名古屋帯。動きの感じられる花は実に表情豊か、愛らしくも洗練された雰囲気を感じます。こちらは、思い描くグレーの濃淡のこだわりを藤娘きぬたやさんに汲んでいただき、制作していただいた当店自慢の絞り帯です。

一粒一粒の細かな絞りの立体感、そして染めの華やかさは、圧倒的な技術力から生まれます。同じ作品は二つとできない、唯一無二の手絞り染め。ため息がでるような美しさは、憧れの絞りの帯です。

長く、そして幅広く、コーディネートを楽しめる大人の絞り帯。先にご紹介した「カッコいい結城」にさり気なく色気を加える逸品でも有り、また「美しい」を極める着姿に一役買う逸品でもございます。

本場結城紬 無地 高機 奥順 に 白綾苑大庭 九寸名古屋帯 「七宝献上文様」 を合わせて

本場結城紬 無地 高機 奥順 袷 黒茶色
参照:結城紬 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

お着物は、奥順さんの手掛けた本場結城紬です。製織は高機、本湯通し(地入れ済)と証紙にも記載がございます。こっくりとした茶系は意外に新作では見かけないお色でとても洒落ています。

合わせる帯によって季節感や雰囲気が変わるのも茶系の特徴。紬通の方はもちろん、これから紬を始める方にも一つは手に取っていただきたいお品です。コーディネートに見えるように、可愛いらしいツブさんの帯留もさらりと合っています。茶色のお着物にジュエリーで、季節の移り変わりを楽しく表現するのは、イメージするだけでワクワクしますね。

白綾苑大庭 九寸名古屋帯 「七宝献上文様」 紫紺地
参照:九寸名古屋帯 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

合わせた帯は、西陣織証紙番号 840 白陵苑大庭の九寸名古屋帯です。絹糸の素材にこだわり、独特の深みのある艶と迫力のある袋帯が最も有名ですが、近年はその優れたセンスを生かした名古屋帯にも注目が集まっています。


こちらは七宝献上文様の題が付けられた名古屋帯です。いわゆる更紗文様を感じさせる非常に洒落た異国的な意匠が印象的。ニュアンスのある配色は新しい可能性を感じさせます。紫みの紺色に古裂のような青を爽やかに効いた、白系の差し色が引き締めます。

織上がりは非常に品も良く、この価格帯の帯を超えた完成度です。紬やお召しといった織の着物から、色無地などやわらかものに。また、軽めの飛び柄の付下げのカジュアルダウンにも。お気に入りの帯としてご愛用くださいませ。

本場結城紬 「楓と幾何学文 100亀甲」 に 白綾苑大庭 九寸名古屋帯 「七宝献上文様」 紫紺地 を合わせて

本場結城紬 「楓と幾何学文 100亀甲」 袷着物 リペア済み 濃藍色 (身丈158cm/裄丈66.5cm)
参照:結城紬 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

お着物は、100亀甲の総絣。不変の人気を誇る紺地の本場結城紬です。縦のラインに幾何学文様を通し、奥には楓の葉でしょうか。すっきりした着姿にまとまる良質な柄行きと良い時代の風合いをお楽しみいただけます。

柄と配色のセンスは完成されております。深みのある濃紺がとても上品。帯も合わせやすく、上質なコーディネートをお楽しみいただけます。

白綾苑大庭 九寸名古屋帯 「七宝献上文様」 紫紺地
参照:九寸名古屋帯 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

合わせた帯は、西陣織証紙番号 840 白陵苑大庭の九寸名古屋帯です。そうです、上記の茶系結城のコーディネートでご紹介した帯と全く同じものを合わせております。同じ帯でも、合わせるお着物の色でこんな風に印象の変化が楽しめる帯ということがお分かりいただけますでしょうか。

纏うお着物の色が少し挿す印象からか、帯の地色が上では茶色を含んだ紫みが強い色に見え、こちらでは紺が深まって見えます。白系などの明るいお着物でもまた違ったイメージとなることでしょう。実に合うお着物の色が幅広く楽しめる帯です。ぜひ印象の変わる帯でコーディネートをご堪能ください。

本場結城紬 「花と井桁絣」 に 岡本紘子 「雲と波」 九寸名古屋帯 を合わせて

本場結城紬 「花と井桁絣」 袷着物 リペア済み 紺青色 (身丈161cm/裄丈66.5cm)
参照:結城紬 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

こちらのお着物は、井桁と花文様を絣で織り出した可愛らしい結城紬です。緯糸の絣に重点を置いた織上がりは現代の作品には見ることができない、クラシカルで良い時代の空気を纏っています。少し青み寄りの藍の色もまた、雰囲気が完成されるポイントになっています。型染の帯や織りの帯を合わせてその雰囲気全てを楽しみたいお着物です。

岡本紘子 「雲と波」 型染め名古屋帯
参照:九寸名古屋帯 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ
岡本紘子 「雲と波」 九寸名古屋帯 染め帯 型染め 黄色
参照:九寸名古屋帯 / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

雰囲気たっぷりのお着物に合わせた帯は、岡本紘子氏(国画会会員)作 型絵染帯「雲と波」九寸名古屋帯です。制作過程は、図案から型彫り、防染染めまでの工程の一つ一つを全て一人で手掛けます。

ポップなだけでない、奥行きに富んだ仕事は人間国宝「芹沢銈介」氏から学んだ「丁寧な仕事」によるものでしょう。「自由に」と岡本さんが自らおっしゃる作品には大人の遊び心が溢れます。

可愛らしいほっこりとした黄色の紬地には花、葉、野菜などの中に題にもなっている「雲と波」が存在感を放っていますが、それらすべてが柔らかく優しいもので余白部分にも自由の愛情を感じます。実に「生きている作品」といえる逸品です。

紺色と黄色の相性は絶対です。帯の中に紺色の使用は無くともご覧のように相性は、ばっちり。コーディネートする帯揚げも帯締めも可愛らしいのに、やり過ぎてる感じが無く仕上がるのは帯の持つ力と結城の魅力と言えるでしょう。

自分らしいコーディネートで結城を存分にお楽しみください

さて、今回の印象の変わる本場結城紬のコーディネートはいかがでしたでしょうか。既に結城が好きな方も、これから結城に袖を通したいと思っている方も、結城紬が、コーディネートでこんなにも存分に楽しめることが少しでも伝わりましたら幸いです。

<スタッフ マキコ>

「着たい」「似合う」が間違いなく揃います

「自分の着物にあう帯を選んでほしい」
「ネットの掲載品を実際に見たい」
「合うサイズの草履がない」
「お洒落なコーディネートで揃えてほしい」
「着物が着にくいので、仕立て直したい」
「紬をはじめたい」
「似合うものをオーダーメイドしたい」
「式典のコーディネートを任せたい」
「芭蕉布や上布など、特上品が欲しい」
「染織家の●●さんの作品が欲しい」

お応えしてきた一例です。ご来店(予約制)はもちろん、メールやLINEでもお気軽にご相談ください。

ご相談と掲載品のお求め:
044-750-9554
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https://www.sennarido-kimono.com/

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