今回のご紹介は「本場結城紬・京都の黒染」 紬地の羽織がメインのコーディネート。この羽織は当店の自信作です!そして、羽織がメインと言いましてもアイテムの一点一点に力があり、これぞ「今年ならではの羽織姿」という組み合わせになりました。それでは、一つひとつ見てまいりましょう。
千成堂着物店 「本場結城紬・京都の黒染」 紬地の羽織 墨黒色 裄70.5cm
こちらは、今回ご紹介するメインとなります千成堂着物店オリジナルの長羽織 「本場結城紬・京都の黒染」 紬地の羽織です。
糸の細い良い時代、ヴィンテージ時期の本場結城紬を解き、風合いを引き立てる丁寧な洗い張りで「裂(きれ)」に変え、それを京都の専門職人が普段よりも低温で三回ゆっくりと時間をかけて黒染めいたしました。そして勿論、着ても良し!脱いでも良し!を求め、この一点のためだけに桂商店から取り寄せた「型染めの羽裏」を妥協なく合わせました。拘り抜いて約半年ほどの時間をかけて完成した創作品となります。
黒染めですが、喪服のような黒ではありません。結城紬の糸特有の底光りがあり深みのある墨黒に仕上がっています。500gを切るほどに軽いです。ふんわりと軽く空気の層を纏うような着心地をお楽しみください。
また、こちらの制作にご協力いただいた紬の専門問屋に、全く同じ本場結城紬が発見されました。証紙は欠損していますが、風合い以外で本場結城紬として確実な判断材料になりました。現在の反物では小売価格で100万円以上はします。美しい色味と上質な風合いに加え、圧倒的なコストパフォーマンスです。自信を持ってご紹介する当店オリジナルの長羽織を是非ご堪能ください。
中村航太(中村正) 羽織紐 「千成堂別注色」 女短 吾妻 2色ドット柄 濃墨に薄藍 切房
上質な長羽織に合わせました羽織紐は、日本工芸会準会員・伝統工芸士 中村航太さんが手掛けた羽織紐です。
やはり注目していただきたいのはこちらのオリジナルカラーの配色。個展に伺った際「弊店の別注色」として中村さんにリクエストさせていただきました。目に飛び込む「ドット」が可愛い!となる羽織紐。そのデザインの可愛さもありながら、卓越した美しさも兼ね備えているのは、やはり中村さんの「コーディネートに生きる紐たち」という配色のこだわりが詰まった作品だからこそです。
やはりお洒落は細部に宿る…どうしても拘りたくなるコーディネート総仕上げの羽織紐。職人さんの手組みの紐でこちらもまた見て良し!締めて良し!の妥協無い逸品です。
久呂田明功 「唐草 千成堂別注」 九寸名古屋帯 染め帯 練色(ベージュ系)
最後にご紹介するのは、京友禅を代表する工房の一つ「工房 久呂田明功」さんの「唐草 千成堂別注」九寸名古屋帯 染め帯です。こちらも地色・差し色の雰囲気を弊店のイメージで創作いただきました別注品となります。染めの映えるシボのしっかりした上質な濱縮緬地は工房の得意とする生地感です。
意匠は唐草、濃い緑藍に銀と混ぜた金色が映え、大胆な配置ですがそれが躍動感となり作品を印象的にしています。鑑賞に堪える、まさに逸品です。
とにかく佇まいだけで輝きを放つ帯です。こんなに気分の上がる帯はなかなか無く、尚且つ上品な印象を残してくれます。色無地や小紋、上質な紬や織の着物に合わせた幅広いコーディネートで格別の着姿をお楽しみ下さい。
「こだわり」で日常に映える洗練を楽しんで
「こだわりのあるもの」というものはやはりそれだけでワクワクするものです。今回ご紹介した3点は、どれも別注作品となり、当店でも作成のお願いの段階から気合が入ったものばかりです。それらが完成し、皆様のワクワクに繋がるのはこの上ない喜びです。自分だけのこだわりを見つけて、日常に彩りをプラスした着姿を楽しんでいきましょう!
<スタッフ マキコ>