夏、浴衣は何度も楽しんできた。気に入るものがあるとついつい増やしてきた浴衣。でも、そろそろ夏着物にしませんか。いや、したいのです。私が。こんにちは、スタッフ マキコです。
夏の着物、本当に楽しみたい。でも、勿体無くて着られないのでは困る。せっかくの想いでお買い物した夏の着物は、存分に纏って楽しみたい。そんな夏のお着物の入り口に立っていらっしゃる方に、間違いの無いおススメをご紹介いたします。
まず絶対のお薦めは小千谷縮
こちらは、織田工房の小千谷縮の着尺です。合わせた帯は、麻の夏 九寸名古屋帯。下駄のコーディネートも効いていて、実に夏を楽しんでいる雰囲気になります。鼻緒に見る赤のアクセントも可愛い。大人の赤の使い方って難しいけれど、上手くいった時って本当に最高です。
シャリ感があり特有のしぼがあり、実に着易く涼しさにも発汗性にも優れている小千谷縮。ですので、盛夏の季節（７月・８月）には特におススメいたします。色めは、鳥の子色の少しクリーム寄りの白色という、上品な白でコーディネートは幅広く楽しめること間違いありません。
そして、なんと言っても嬉しいのは、特殊な染めの加工での柄染めのため手に取りやすい価格なのです。
敬遠しないで欲しい!実は使える夏の黒
こちらは、上にご紹介した小千谷縮の同種の色違いとなり、鉄黒 ブラックの色めです。昨今、一般的に白が人気の傾向がある上、夏の黒は暑そうなことからも敬遠しそうではありますが、「意外と黒の方がさらっと着れて着姿が綺麗にまとまりやすいよ。」とは、当店 作品担当の井上英樹。なるほど…確かにそうかもしれない。私は、一枚買うなら白かな～と思っていたのですが、実際着るなら夏の黒…良さそうです。
合わせた帯は、桐生織 桐生絞りの九寸名古屋帯。「ザ・夏帯」というとびきり夏を感じる配色の絞りもこんな風にさらっと合わせられるなら、やっぱりどこまでも楽しめそうですよね夏の黒。
アップで見ると白の蚊絣が可愛い着尺です。小千谷縮はお家で洗濯できるところもお薦めのポイント。夏の日差しなら１日で乾いてしまうので、汗をかいたら直ぐ洗って乾かして、着る、の繰り返しが出来て、これを持っていれば安心して着倒せる盛夏の着物なのです。
キレイめも持っていたい時の一枚には夏お召し
こちらは、小千谷縮の雰囲気とはがらりと印象を変える「夏お召し」です。透け感とシャリ感があり、目に入る着姿も実に涼やかな着尺です。キレイめの着姿に一枚用意しておくと良いのでは、と思う夏お召し。
お着物はもちろんのこと、羽織ものにも適していますのでお好みに合わせてお仕立てが可能です。ですから個人的には、プレゼントをして、相手の方がお好みでお仕立てを楽しめるという良さもあるなと感じる、贈り物にお薦めの一反でもあります。
夏帯はコーディネートで遊べる帯で
最後におまけで、コーディネートに使われている夏帯を一本ご紹介いたします。こちらは辻が花作家、森健持氏の「丸紋涼風」九寸名古屋帯です。今回ご紹介した、小千谷縮と夏お召しの両方に合わせており、どんな色のお着物にもはまることが見て取れると思います。
薄いグレーの地色に、愛らしいモチーフを辻が花の伝統技法で表現しており、大人が楽しめる夏帯です。愛らしいモチーフの中には、うさぎの絵柄もありますが、こちらは丸い中に兎が跳ねていて「まるで、お月見にも感じられるわよね。」とは、当店スタイリストの井上和子。６月～９月まで楽しめる夏帯ですが、９月の頃には月見とも合わせてコーディネートで遊べるとは本当に夏を満喫できる帯です。
さて、今年の夏はどうやら長くなりそうとの噂。まだまだ間に合いますので、ヘビーローテーションの予感のする夏衣を用意して盛夏を存分に楽しみましょう！
スタッフ マキコ
