着物に合うバッグ、というのはなかなか難しくて、探している方も多いと思います。
着物ならではの風合いや上質感に負けない、質感の高いバッグとなると、エルメスやルイヴィトン、ロエベなど海外メゾンのバッグを選ぶ方も多いです。
世界のトレンドをリードしていく華やかなクリエイションと、長い歴史を持つ皮革のものづくりが、フランスをはじめヨーロッパにはあり、日本のブランドがすぐに追いつくのは正直に難しいと思っています。
ですが、お待ちください。
日本には「SHOJIFUJITA」がある。
SHOJIFUJITAというブランド
SHOJIFUJITAは藤田勝治さんが代表を務める気鋭のレザーグッズブランドです。
東京都の台東区松が谷にアトリエがあり、日々レザーに向き合う職人として藤田さんは居ます。
自身の目が届く作品づくりに非常にこだわりがあり、自身を含んでも数人という厳選したスタッフで制作をしています。
武骨なレザークラフト品とは一線を画したエレガントな雰囲気とデザインは、日本のブランドの中には見られなかった新鮮なアプローチ。
その世界観に銀座のライフスタイル系セレクトショップやデパートから声がかかることも多く、自身も会場に立ちながら、作品を伝え続けています。
また、「軽くて使いやすい」「愛用できる」という根本的な部分に非常にこだわりがあります。
数か月という時間はかかるが、風合いが良く、また経年によるエイジングを楽しめる「ベジタブルタンニンなめし」という方法を使って作られる、上質なオリジナル・レザーに定評があります。(※シープスキンなど一部はクロムとのコンビなめし)制作は兵庫県のタンナーが手掛けています。
「時がつくるデザイン」がブランドの哲学であり、経年により表れるエイジングも含めて楽しめる素材使いは素晴らしいの一言。
良いレザー特有の本当にいい香りまでします。
「素材が出来上がってからデザインが浮かんできます」
とは藤田さんのお話ですが、レザーという素材に真摯に向き合う姿が印象的。
世界に一つのカスタムオーダー制作も承ります
また、「カスタムオーダー」にも強みがあります。
当店にも用意がありますが、レザー素材の見本から選び、オリジナルのバッグを仕立てることも可能です。
型紙を含めたデザインの大変更や、ブランドの哲学にそぐわない修正(底鋲など)はできかねますが、バイカラーへの配色変更など、納期はかかりますが柔軟に対応をいただく事もできます。
「待つ時間も含めて楽しんでいただきたい」
世界に一つのオリジナル、まさにバッグ好きの心をとらえるサービスです。
オーダーメイドをご希望の方はお気軽に当店までご連絡下さいませ。
SHOJIFUJITA 藤田さんに会いにいく
当店のコーディネート担当 井上和子(母)とは、着物のコーディネートの相談を常にしていますが、スタイリングに生きるバッグ探しは、なかなか困難でした。
私自身、かつては高級ブランドバッグのヴィンテージも手掛けており、そこに匹敵するスタイルのバッグが合わせたくて、ずっと探していました。
ある日、とあるセレクトショップのウェブサイトで見つけた、エレガントなレザーバッグ。
ニュアンスカラーを使いこなしたその色味に惹きつけられたことを覚えています。
しかも、調べると日本のブランドではないですか!
早速アポイントメントを取り、藤田さんのアトリエを訪ねることにしました。
「こんにちは」
出迎えてくれたのは平野順也さん、ブランドのPRとレザーの裁断を担当しています。
この方は海外メゾンのショップで販売をしていた経験もあり、最高級品に造詣の深い方です。
とても良く似合う紺色の素敵なニットが印象的でした。(あれ、どこのだろう?)
アトリエには座って話をできるスペースがあり、奥では藤田さんが黙々と制作をしていました。
藤田さんは他店の写真で拝見していましたが、パーマをかけたのか雰囲気が思っていたよりも華やかな感じの方。
しかし、話をするとあくまでも穏やかな紳士、制作にかける熱意がふつふつと伝わってくる、不思議な魅力のある方でした。
そして二人とも、かなりスマートなイケメン。
まず、既存の作品を見せていただき、色々打ち合わせした結果、作品の取り扱いを無事に許していただきました。
当店は着物、和装の店ということもあり、アレンジを加えた作品も頼めないか・・という含みがあり、そこは相談でした。
「底鋲、打てますか?」
「申し訳ありません・・重くなるのと、そこから凹んでしまうため、できません」
というように、ブランドの哲学に関わる変更は一切できないため、アトリエでは詳しく聞く事に徹して、一旦持ち帰って内容を考えることにしました。
そのあと、平野さんにSHOJIFUJITAブランドを教わりながらのオーダーとなりました。
千成堂着物店のアレンジを加えた「SCREEN」が完成しました
待つこと約3か月、当店の意向を含んだ作品が5点完成いたしました。
中でも、この「SCREEN」は最も和装バッグ的な視点を加えた作品となっています。
一言で、上質な織の着物に合わせるためにバッグ全体に「程よい緊張感」が漂う仕様にしてあります。
そもそも、このモデルはショルダーバッグで、肩あたりの良い少し長目のショルダーストラップが通常使われています。
そのため、まずハンドルを短く、そしてしっかりと形がキープできる硬めの仕様にしてあります。
さらにバッグ本体に使われる芯を固めにしてパリッとした感じに、また、ジッパーや型押しのロゴも全てシルバーにしていただき、シャープな表情を意識しています。
天然皮革はシワが一つ一つ異なり、また、どの部分を使うかで同じ素材でもかなり表情は異なってきます。こちらについては、シワの少ない箇所を指定して使っていただき、カジュアルな雰囲気を眠らせてあります。
SHOJIFUJITAさんは当たり前ですが和装バッグ専門ブランドではありません、ですが、作品展や催事で「着物に合わせています」という方が見えたり「着物向けにアレンジして欲しい」というオーダーが入ったりと、不思議に思っていたそうです。(そのため、当店から話が来た時に、本当に驚いたとのことでした)
このSCREENというモデルも、和装アレンジを加えた方がかつていらっしゃるらしいです。
本体をキャンバスにする計画もあったのですが、最初ということでオールレザーを採用しました。
「DANCER」は配色を提案、シルバーのワントーン系
SHOJIFUJITAさんがブランドとして初めて手掛けたフォーマルテイストのバッグ DANCER。
コンサバティブなトップハンドルバッグに、軽やかな斜めの線を入れたことで、他にないコンテンポラリーな表情を湛えています。
こちらは大幅に変更を加えず、配色・素材をオーダー致しました。
ストーングレーというニュアンスのあるグレー系ですので、金具は全てシルバーに、また内部のロゴの型押しもシルバーに・・とワントーンのスタイリングを意識しました。
すっきりとした雰囲気がスタイリッシュ、そして合わせやすい作品に仕上がっています。
この、中間色のグレーの風味はSHOJIFUJITAの真骨頂、という気がします。
新作 「HIDDEN」もすかさずオーダーいたしました
牛革のバッグをくるりと柔らかいシープスキンで包み込んだ無二の表情「HIDDEN」も当店のイメージでカラーオーダーをいたしました。
全体の色味はグレージュ系、金具・内部の型押しロゴは鈍い金色系にコーディネートして、あたたかみのある雰囲気を出しています。
私自身、相当の数のバッグを見てきましたが包み込むバッグというコンセプトにまず、驚きました。
かなり斬新な発想なのですが、落ち着きのある雰囲気の使いやすいバッグに仕上がっています。
使いやすい名作ポーチ「GOODLUCK」
小ぶりなファスナーポーチ「GOODLUCK」は型押しの柔らかいシュリンクレザーでオーダー。
ロゴをシルバーにしていただき、こちらもグレージュ系のワントーンに仕上げました。
小銭入れ、小物入れ、コスメポーチ・・いろいろと使いやすい絶妙なサイズ感です。
1と2という、二つのサイズで入荷、プレゼントにもおすすめですね。
着物と洋服と、お洒落のボーダーが無くなる日
最近、良く「洋服のファッション感覚で和装に取り組んだらどうなるか?」ということを考えています。
私自身、着物で生活するタイプではなく、あくまでもスーツ(または準ずるお洒落着)として着物を選び楽しんでいます。
洋服感覚の着物という言葉は良く聞きますが、あまりにもデコラティブだったり、異素材使いだったりするような打ち出しは違和感があり、素敵だなとは思えません。
そもそも、洋服のスタイリングでも、ごてごてと盛りだくさんな感じはお洒落ではありませんし、狙ってするには、高度な感覚が必要になってきます。
足し算と引き算の絶妙なバランス、上質で満足感のある装いを大人のお洒落の基本とするのなら、洋服も、着物も、目指すところは同じなのではないでしょうか。
そして、そんなハイブリッドな感性でファッションを楽しむなら、このSHOJIFUJITAというブランドのバッグは最適な選択肢の一つだと思います。
このバッグたちがきっかけになって、着物と洋服のお洒落の壁が上手に薄くなって、本当の意味で、着物も洋服も同じ感覚で楽しんでくれる人が増えたらいいな、と心底思っています。
とにかく、ファッションって本当に楽しいんですよ。私は着物も洋服も好きですよ。
作品担当 井上英樹







