知っておきたい!着物別、お洒落な長襦袢の選び方と見方

「見えないからいいよね、長襦袢は適当でも・・」

「いえいえ!長襦袢は真剣に選んでください」

こんにちは、コーディネート担当の井上和子です。

突然、立ち入ったことをお伺いしますが、あなたは、長襦袢を何枚、何色お持ちですか?

ポイントは何色でどんな柄のものがありますか?ということです。

もしかして・・お手持ちのもの全部が似たようなピンクではないですか?

着物の下になるから、そんなに目立たないし、と思われていませんか?

残念ながら・・意外に長襦袢は目立っています。

確かに長襦袢が見えるのは、袖口からほんの少しと、袖付けから袖下までの空いている部分、振りから見える部分だけです。

ですが、そこは目立つ箇所で、コーディネートのセンスが問われるところです。

今日は、「長襦袢をお洒落にコーディネートする」方法を種類別にまとめたいと思います。

長襦袢の選び方、基本の「き」

まず、長襦袢の選び方の基本は「着物に合わせて長襦袢を選ぶ」ということ。

紬やお召しに合う襦袢と、訪問着や付下げなどに合う襦袢は違うものです。

カジュアルにはカジュアルな遊び心のある長襦袢、フォーマルにはフォーマルな格調のある長襦袢を合わせます。

黒留袖、喪服の長襦袢

格の最も高い正装、礼装用は白の長襦袢を選びます。

式典用の場合はその場に相応しく基本を守ります。

ここでは自分らしさは必要ありませんので、格式、品格が大切です。

訪問着、付け下げの長襦袢

付下げと長襦袢
参照:長襦袢コーナー / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

いわゆるフォーマルの着物の長襦袢には二つの傾向があります。

式典はお席や場との調和、パーティーは華やかで見栄えのするものです。

式典の着物に合う長襦袢

着物と同系統の淡い色のものがよいでしょう。特に結婚式などで幅広い年代のお客様のいらっしゃるお席には、無難です。式典はお洒落というよりも、調和を目指すのが美しさのポイント。

パーティーなど華やかなお席に合う長襦袢

パーティー用の訪問着のように華やかな着物でしたら、鮮やかな色柄のものを選べばお互いを引き立てあい、会場でも動きにつれてより艶やかに映えてお洒落です。

紋入りの色無地、江戸小紋など茶道をたしなまれる方や準礼装の場合

色無地と長襦袢
参照:長襦袢コーナー / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

特に、茶道の場合は、手元や袖の動きが目立ちます。そのため、同系統で落ち着いた淡い色味を選びたいもの。出ず入らず、同系統のカラーコーディネートが素敵です。

例えば、「渋い青みの納戸色の着物」から「ピンクの長襦袢」がチラチラ覗くより「淡いブルー or グレー系、着物と同系色の長襦袢」の方が確実にお洒落だと思いませんか?

また、着物の数が増えるジャンルでもありますので、「幅広い色が合わせやすい、クリーム系の長襦袢」もおすすめです。

紬や小紋などお洒落着物に合う長襦袢

柄物の長襦袢や、楽しい色味の長襦袢を選び、個性を存分に発揮しましょう。

少ししか見えない箇所だからこそ、思い切った遊び心が、むしろ素敵でお洒落です。

本場結城紬とおかめひょっとこの襦袢
参照:長襦袢コーナー / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

「おかめとひょっとこ」のような柄は着物ではおすすめしませんが・・長襦袢なら、むしろその抜け感が上級者の装いです。ぜひ、思い切った柄にも挑戦して楽しんでください。

「襲(かさね)の色目」と「見返り美人」

「襲(かさね)の色目」

日本には古来から「襲(かさね)の色目」という言葉がありました。

薄物が重なりあったときの色や色の組み合わせに意味を持たせ、紅梅がさね、桜がさねなどと季節感を色で表現する雅やかで繊細な感性がありました。

わかり易いものだと「十二単」は最たるものですね。

現代の着物に、ここまで重ねる大変な着方はありませんが、比翼仕立てや、伊達襟、袖口と振りから覗く長襦袢にその名残が感じられます。

この「襲(かさね)の色目」という考え方を頭に置いておくと、長襦袢をもっと楽しみたくなるのではないでしょうか。

さらに言えば、紬やお召などは着る方のセンスで色々楽しめますし、お洒落用の長襦袢には色や柄も楽しいものが多いです。

柄のお洒落襦袢
参照:長襦袢コーナー / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

着物より濃い色でアクセントをつけたり、歌舞伎の隈取や大入袋の模様や、紙風せん、昔の子供の玩具など可愛らしい物もあります。桜や、紅葉、クリスマスのような季節限定の柄も楽しいです。

お洒落用の着物を選んだらそれに合わせて組み合わせながらトータルにコーディネートしましょう。

これは「襲(かさね)の色目」にも通じる、楽しみ方だと思います。

「見返り美人」

長襦袢・首里織の着物と帯のコーディネート
参照:長襦袢コーナー / 千成堂着物店 公式オンラインショップ

着付けたら、くるりと後ろを向いて見てください。

見返り美人のポーズです

着物、帯、帯揚げ帯締めの色合いが美しく調和していますか?

長襦袢の振りが加わって、更に決まったと思いませんか?

私たちは、どうしても前ばかり見がちですが、後ろ姿は意外に見られています。

また、センスの良し悪しのわかるところです。

着物コーディネートとは、配色や格への対応だけではありません。

着るあなた自身の個性を主張する、ぴったりの着物や帯を選び、また長襦袢にいたる細部までを作りこむことです。

長襦袢を含む、後ろ姿にも気を配ること。

これはとても大切なことです。

もっと、着物コーディネートを楽しむなら、長襦袢!

今回は、長襦袢についてまとめて、また、私の考え方をお話いたしました。

繰り返しますが「長襦袢は意外に目立ちます」し「長襦袢はコーディネートを完成させる重要なポイント」です。

お手持ちの長襦袢を、思い浮かべてください。

ご自分に何色が合うか。

長襦袢にどんな色柄を加えれば着物ライフがもっと素敵に楽しめるか。

今、これをお読みのあなた、本当のところ、お手持ちの襦袢では足りていないのでは・・?

コーディネート担当 井上和子

「着たい」「似合う」が間違いなく揃います

「自分の着物にあう帯を選んでほしい」
「ネットの掲載品を実際に見たい」
「合うサイズの草履がない」
「お洒落なコーディネートで揃えてほしい」
「着物が着にくいので、仕立て直したい」
「紬をはじめたい」
「似合うものをオーダーメイドしたい」
「式典のコーディネートを任せたい」
「芭蕉布や上布など、特上品が欲しい」
「染織家の●●さんの作品が欲しい」

お応えしてきた一例です。ご来店(予約制)はもちろん、メールやLINEでもお気軽にご相談ください。

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