2015年を振り返る。
着物をライフスタイルに取り入れる、そんな方が確実に増加しています。
共通する思いは、「今風に着物を着たい」ということ。
当店のお客様でも、着付けを習い始めた方、茶道に入門された方、最近着なかったけどまた時々は着たいと思っている方など、私共着物好きにとってはうれしい限りです。
いずれの方々にも共通するのは、ひとことで言えば、「今風に着物を着たい」ということです。
洋服業界では、春夏のコレクションに続いて、ファッション誌などにも春夏のトレンドとして特集が組まれ分かりやすいのですが、着物はそこまでくるくると流行が変わっていくことはありません。
それでも、お祖母様やお母様から譲られたお着物と帯をそのまま身に着けて、仮にサイズが合ったとしても、今着るのはちょっと…と感じられるでしょう。
着物は、スカートのように丈が長くなったり、短くなったりといった流行はなく、型は同じです。では流行の着物との違いはどこにあるのでしょうか?
流行の着物はカラーコーディネートが違う。
大きな違いは、着物・帯・小物のカラーコーディネートにあります。
以前、若い人は普段あまりに地味な着物は着ませんでした。赤系の帯や着物で若い人らしく装うのがあたりまえでした。
結婚すると途端に地味になり、せめてものお洒落にと八掛が赤系になったと思われます。
今は逆に、赤系の小紋や色無地などは若い人にも人気がありません。
洋服よりも分量があるだけに、現代の近代化された街並みの中で、洋服に慣れた感覚で見ると、異質に感じられるのかもしれません。
また、この洋服感覚は季節にも敏感で、秋には秋らしい色を求めます。
その感覚を大切にして、現在の当店のインスタグラムのコーディネートはブラウン系が多くなっています。シックにまとめるのが、今の気分に合っているからなのです。
2016年、春の着物の2大トレンド。
2016年の着物トレンドは、シックなモノトーン(グレー系)と予測しています。
洋服が日本に入って一般に広く着られるようになってから約80年弱ですが、流行に関係なく、白・黒・グレー・ベージュなどのシックな色は装いの定番カラーです。
現代は着物だけを着ているのではありませんので、当然洋服感覚のカラーコーディネートが受け入れやすくなります。
また、日差しが明るくなってくると、季節感が欲しくなり、シックでありながら、明るいグレー系に目が向いてくると思います。
コーディネートに使った、石毛結城紬のグレーと紬の帯。
白大島の優しい雰囲気は、昨年に続き人気になると思います。
また、流れに乗って白大島紬のトレンドはさらに大きなものなると考えられます。
帯もライト系でワントーンコーディネートがお洒落です。
コーディネートに使った、東海道文様の白大島紬とエジプト文様の帯
”きれい色の紬”としてピンクや水色のものもトレンド継続は間違いなさそうですが、すでにお持ちの方も多いと思います。
そこで、白・グレーをメインにした、まさに都会的なコーディネートが注目、という気がします。
さて、2016年の着物コーディネートはどうなっていくのか・・楽しみですね!