大人の女性が選ぶべき「本物の浴衣」
この夏欲しいのは、10年先も愛せる上質な「浴衣」。
今年らしく、私らしい視点から選ぶとしたら?
浴衣は単なる夏の装いではなく、日本女性の「素敵」を引き出す魅力のある装いです。今回は大人の女性なら知っておきたい、本当に価値ある浴衣選びのポイントを弊店流にお伝えします。
浴衣の本質
現在は季節のお出かけ着のイメージがありますが、とある着物スタイリストさんの言葉を借りれば「浴衣は元々、湯上がりに着るワンマイルウェア」というのが一番の本質。そのため「涼感」と「清潔感」が何よりも大切だと思います。
若い頃は華やかな流行のデザインに目が行きがちですが、年が満ちるにつれ、シンプルで上質な浴衣の魅力に気が付き、また素敵に映えるようになってきます。紺地に白の伝統的なデザインが大人に愛されるのはきっとそれが理由です。シンプルな中に宿る職人の技と素材の良さが、着る人自身を自然と引き立てるのです。
大人の女性が選ぶべき浴衣を揃えて、制作しています
弊店では量産できる品ではなく「職人性の感じられる、価値ある浴衣」だけを厳選してご提案しています。また、当然ではありますが、すべて洗える仕立てになっております。洗濯を重ねるごとに生地が馴染み、より一層あなただけの風合いを楽しめるようになります。気温の高い時に着るものだからこそ、アフターケアのしやすさや、そこから得られる馴染んだ風合いを大切にしたいと思っています。
特に代表的なお品を下記に選びました。
伝統と技が織りなす至高の一着「有松絞り」

約400年の歴史を刻む伝統工芸「有松絞り」の浴衣は、熟練職人の手によって生み出され、その美しさはもはや芸術品の域です。量産品では決して表現できない、手わざによる繊細な絞りの表情と深みのある染めが特徴です。

有松絞りの浴衣は、軽やかさを保ちながらも夏着物としての風格を併せ持ち、上質な帯との取り合わせで格調高い装いに昇華します。カジュアルな夏祭りから衿を付けた上品な街歩きまで、様々なシーンで際立つ逸品です。
水通しによる幅出し・色留め加工済み。国内工房での総手縫い本仕立てにこだわっています。
琉球の青を纏う—平敷慶彦さんの藍染め浴衣

岩手県奥州市を拠点に、平敷慶彦さんの藍染工房から生まれる浴衣は、沖縄と東北の文化が交わる特別な一品です。沖縄から取り寄せた琉球藍を染料に用い、北国の感性で紡がれる意匠は、愛らしさと深みを兼ね備えています。
弊店では特別に「千成堂着物店としての浴衣スタイル」をコンセプトに、柄や配色の別注をお願いした逸品をご用意しました。通常よりも藍の色味を濃く引き出した「留紺」の地色に、織ぬい絞りの技法で表現された模様は、クラシカルでありながら現代的な魅力に溢れています。
白い衿を合わせた着物調の装いにも映える品格と、絞りが生み出す独特のコントラストが魅力的な、まさに現代の大人女性にふさわしい一反に仕上がっています。伝統技法を踏まえながらも、ナチュラルさやレトロさの枠を超えて、現代のファッションアイテムとしての完成度の高さが光ります。
最高峰の一着 —— 竺仙の「長板本染中形・小紋中形」浴衣

天保十三年に創業した老舗「竺仙」の手による「長板本染中形・小紋中形」浴衣も、自信を持っておすすめする逸品です。藍色の深みと白の美しいコントラストが織りなす意匠は、見る者の目を惹きつけます。
伝統技法「長板本染」は、6m50cmほどの樅の一枚板に生地を張り、錐彫りの型紙で表裏別々に糊置きし、藍甕に浸して染め上げる高度な職人技。現代では制作数も限られており、希少技法となりつつあります。
弊店は竺仙主催の展示会に出かけ、新作から厳選した作品のみを取り揃えています。浴衣としてだけでなく、襦袢を合わせれば夏小紋としても楽しめる、この上質感は必見です。
個性と品格を兼ね備えた武村小平さんの「ブナの葉」型染め

洗練された現代的感覚と伝統技法が融合した武村小平さんの「ブナの葉」型染めは弊店の別注品。水色の地に黒で描かれた葉模様は、曲線美と空間構成のバランスが絶妙で、見る者を魅了します。綿麻の着尺として制作されていますが、高級感のある浴衣の調子でも着られます。
作家自身がデザインから型彫り、染色まで一貫して手掛ける「型絵染め」の技法で制作された本作品は、手仕事ならではの味わい深さと洗練された美しさが共存しています。まさに上質なカジュアルを体現する逸品。違いの分かる大人の女性にこそお勧めしたい仕上がりです。
涼やかに着るのコツ
現代の浴衣の楽しみ方は多様化しています。従来の「浴衣1枚」だけでなく、「長襦袢を合わせた単衣の着物風」の着方も人気です。また、気温の変化もあり、着用期間も5月から10月上旬まで広がっており、一着の価値がさらに高まっています。
真夏の暑い日には、襦袢を着ると体感温度が上がりがちです。そんな時は「楊柳の半襦袢」と「ステテコ(キュロット)」の組み合わせが非常に快適です。衿を付けた装いができるのは上質な浴衣の特権です、快適な着こなし術も合わせて覚えておきましょう。
長く愛せる本物との出会い
上質な浴衣は、適切なお手入れをすれば10年以上も愛用できるとされています。一時の流行に左右されない選択こそ、大人の女性の知恵と言えるでしょう。
有松絞り、琉球藍を用いた平敷慶彦さんの作品、竺仙の長板本染、武村小平さんの型染めなど、それぞれに異なる魅力を持つ本物の浴衣は、着る人の個性を引き立て、時を経るほどに愛着が増していきます。
浴衣は単なる衣服ではなく、日本の美意識と知恵が結実した「豊かな装い」です。大人の女性だからこそ、真の価値ある一着との出会いを楽しんでいただきたいと考えています。
この夏、長く寄り添う特別な一着をお探しならぜひ弊店へご用命ください、厳選したお品だけを丁寧にご案内いたします。素敵な装いが、内側から輝く自信となり、忘れられない夏のワンシーンを創り出してくれることでしょう。
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