「帯まわりがお馴染みで、気分が変わらない」
「古典の雰囲気は好き、でも、新しさも見つけたい」
「素敵なアート?帯を見かけたけれど、取り入れ方がわからない」
着物はアートでもありますが、そのまま着るのは難しいです。上手に取り入れないと、大人が着るにはちょっと大胆すぎたり。
そんなお悩みを軽々と吹き飛ばす、完成度の高い作品を今こそご紹介いたします。片山穣さんの名古屋帯「Anonymous / No.2」です。

片山さんは第一線のアーティスト。ロウケツ染の染色絵画を手掛けています。
片山さんの作品はただ飾るだけではなく、感情を起こすための装置です。「静かな夜の街を行くような、落ち着いた感情」や、「日差しの中にいるような爽やかさ」を見る人に感じさせます。
六本木のギャラリーでの個展、表参道のビルでの大型展示などで作品は発表され、注目を集めています。

その片山さんにアポイントメントを取るところから始まったこの制作。厳選した小千谷紬の帯地に描いた前作も驚くほど一瞬で完売に。
完売後しばらくして「あの帯はもう作らないのですか?」と展示に見えた方が、片山さんに尋ねたそうです。
その声も後押しになり、再制作をお受けいただきました。展示の合間を縫った制作→約一年の期間を経たNO.2が完成いたしました。

「名もなき人たち(Anonymous)の営みを、ある日ふとした夜景から感じ、落ち着く」をテーマに、独特のにじみ・ゆらぎを持って描かれた本作は紛れもなくアートです。

ですが、高度なロウケツ染は伝統的な染の技法でもあり、本質的な綺麗さがあります。着姿に映える、締めたくなる帯に仕上がっています。
前作をお求めのお客様は「都市」に関する方(詳しくは書けません)だったのですが、普段出入りのある着物屋さんには無かった、この都会的なニュアンスと綺麗さに魅力を感じたそうです。
着姿変えるこのムード、実物で御覧いただきたいです。技法的に完全な再制作は難しい限定作品になります。
