秋の着物コーディネートは、四季の中でも、上品な色合いと繊細なデザインが際立ちます。どうせ始めるなら本格的に、そして新鮮に着てみましょう。
私たちの考えるコーディネートの一つはこんな感じに。解説していきます。
秋のコーディネートを「こう」着てみる
別注品は「本格派の作品」を選ぶ
着物と帯はこだわりの別注品で揃えてみました。王道的な完成度の高さと今の時代の感覚を共存させた他にないお品です。
帯は藤娘きぬたやさんに制作を依頼した総絞りの逸品。別注です。あえて色数を減らして現代的なすっきりムードを演出しました。この絞りの美しさとムードはまさに満点、本格的な装いの主役です。
着物は現代的、洋服的な色味から着想した地色が特徴。京都の染匠と開発した別注・刺繍の飛び柄小紋です。華美になり過ぎない刺繍の感覚は帯合わせもしやすく、着回しも良い一品です。
品よく「盛る」小物使いでこなれ感を上げる
引き算のコーディネートは一世を風靡しましたが、今はさらに感性が深まり「盛る」ことに挑戦する人も増えています。盛る、というのは中々難しいです。ともすると賑やかすぎたり、野暮になったりと、コツが意外につかみにくい。
そんな時には「小さな柄」という手があります。和小物さくらさんのロウケツ染めの帯揚げはまさに小さな柄の筆頭。さりげない多色でアクセントにもなり、また、意外なほどに着回しがきく優れものです。
また、手仕事の作品もこなれた雰囲気アップに欠かせません。中村航太さん監修・中村正さんの手組の帯締めは、もう明らかに帯回りを上質に見せる効果抜群です。
「小さな柄」「手仕事の妙」はコーディネートをこなれた、そして本格的なものに一段上げてくれます。
イヤージュエリーの投入でぐっと新鮮に
コーディネートのバリエーションとして、イヤージュエリー×帯留めの組み合わせも考えました。カジュアルな感覚の教室や街着としては、この雰囲気出しは大いにお勧めです。
例えば、コンテンポラリーな七宝の小ぶりなピアスと帯留めは小室えみ香さんの作品。ドローイング(絵画)から立体作品に展開される作品は、コンテンポラリージュエリーのギャラリーでも非常に人気があります。
技法として「七宝」が使われているのもかなりポイントが高いです。イヤージュエリーは和装としてはかなり新しい視点のため、この「伝統的な技法」である、という点がかなり追い風になります。小ぶりなのでコーディネートで主張し過ぎないのも良いです。
秋のコーディネートを彩るキーワード
本格的な別注作品、小物で盛る、イヤージュエリーといったキーワードでまとめました。新しい季節と新しい気分に、弊店のコーディネートが何かヒントとなれば幸いです。