
8月が終われば9月!いよいよ「秋を迎える一枚」が欲しくなります。美しく、愛らしく、格好良くと目指すところは色々ですが、帯で自在に表情を変える新作の本塩沢ならきっと大活躍間違いなし。洛風林さんの帯を合わせましたが、まさに今!私が着たいコーディネートNo.1!ができました。
やまだ織 「本塩沢 四色乱絣 千成堂別注」 着尺


新潟の産地問屋さんと東京の問屋さんと組み企画した当店別注の本塩沢の着尺です。(少数ですが副反あり)制作を担当したのはやまだ織さんです。なんと言ってもこの橙、紫、緑、青の四色を経糸の絣としてランダムに降らせた乱絣(みだれかすり)が素敵です。
白地に浮かんでゆらぐ四色の乱絣…このようにカラフルでも優しく入る色は、本当にその時の季節や気分や合わせたい帯や小物、どんな色でも拾ってくれ、それでいて印象を残してくれるので、コーディネートが好きな方は重宝する1枚となります。
さらにこちらは、その魅力は配色だけではなく、湯で出したシボ感が特徴で、さらりとした風合いがあり、しわにもなりにくく実際の着心地も良い上に袷にも単衣にも良いので、お好みに合わせてこの秋、ぜひ選びたい1枚となるわけです。
歴史のある伝統染織品の良さをそのままに、今も、そしてこれからも着こなせる作品。こういう物を皆さまに届けたいと想う作品が仕上がりました。
洛風林 「千鳥格子」 九寸名古屋帯 飛天錦 紺桔梗


その名は、工芸帯地 洛風林。お着物愛好家の間では良く知られた洛北の帯屋さん。「真実に美しいものは常に新しい」の信条のもと帯地を創作されています。
素晴らしく独創的で力強く、印象深い作品の数々の中から当店でセレクトしたこちらは、「千鳥格子」をモチーフにした名古屋帯。表情のある糸で他にない個性を出した「飛天錦」の織地です。
飛天錦(ひてんにしき)とは、洛風林オリジナルの帯地です。節のある真綿糸に箔を巻きつけた特殊な経糸に、緯糸は一昼夜水に浸した「濡れ緯」を使用しています。織る際に、緯糸がひっかかりやすく織りづらい、機屋泣かせの生地ですが、締めた後に緩みにくい独特のシャリ感が魅力です。
単衣の時期にも使えることもあって、人気の高い帯地です。そして、やはり色が良い逸品です。とにかく映える気分の上がる帯。実に愛らしい帯です。
いよいよ9月…秋をお迎えする装いを楽しみましょう
9月とは言えすぐに涼しくはなりません…でも、秋のお洒落が楽しみたい。今回はそんな秋の入り口に相応しいコーディネートを考えましたがいかがでしょうか。ポイントはやはり「色」。幅広い色が拾えたり、小物で遊べたりする着尺や帯は、季節の変わり目には特に重宝いたします。今回のコーディネートでは、騎西屋さんのハチドリの帯留を使用していますが、その日の気温や気分に合わせて帯留だけを変えるのも有りです。新しい季節には1枚くらい着物を新調したくなるもの。そんな新しい着物はとっておきの1枚を選びたいものです。
<スタッフ マキコ>