いかがでしょうか…先にインスタグラムで紹介しました、この隙の無い「確立した大人の女性の着物スタイル」。この高い感性を感じるコーディネートは夏の手前の単衣を意識したそうです。いつだってお洒落は先取り。一足お先に、心が躍る千成堂のコーディネートにお付き合いください。
入荷した時から思っていました、この本当に素敵な帯は Foglia(フォリア)仁平幸春氏の 「葡萄とレース No.2」 千成堂別注 九寸名古屋帯。この素敵な帯に合わせたのは「奥順×野村半平」 本場夏結城紬の着尺です。確立した大人の女性を感じさせるコーディネートですが、中身を一つずつ見て参りましょう。
こちらは「奥順×野村半平」の本場夏結城紬 80亀甲総絣 着尺。数ある本場結城紬の中でも、もっとも希少とされる一反です。地には程よい透け感があり、まさに、夏の結城紬。現在、結城の産地でこちらを織り上げることができるのは「野村半平」さんの工房のみ。現物が存在すること自体が貴重、まさに幻の作品です。上品な薄い生成色「白よごし」に墨黒の絣、清々しく実に美しい一反です。こちらの着尺は、オンラインの購入ページでは、別のコーディネート画像もありますので是非そちらもお楽しみください。やはりこちらの反物は、それだけコーディネートをしたくなる、可能性を感じる反物だということにもなり「言葉はいらない」といったところでしょうか。
着尺は上記にありますよう、勿論、間違い無くお勧めする上質な一反でしたが、今回のコーディネートのメインとなるのはやはりこちら「葡萄とレース No.2」 。確固たる哲学で新しい和装を想像する工房「Foglia」代表「仁平幸春」氏の作品です。こちらは「オリジナルの図柄から制作をいただき、生地感や配色までを練り上げた、当店だけの別注品。前作から地色を変更、さらにオリジナリティーを持った世界観へと歩みを進めています。」とは、当店の作品担当の井上英樹の商品紹介の言葉です。
この表現される魅力的なアンティークレースは、画像でもお分かりいただけます通り、確実な陰影があり、目の前に触れることが可能な立体的なレースが存在しているように見えます。ですが、こちらは「染め帯」。そう表現されるアンティークレースは「染め」なのです。惹き込まれるようなこの美しさを今回はシャリ感と透け感がある夏帯に変更して、紫鼠色地の濃淡も楽しめる帯となりました。お好みで張りのある濃い色のカラー芯をお入れして単衣帯でもお楽しみいただけますので、ご希望はお仕立ての際にご相談ください。
さて、最後にご紹介させていただくのは合わせた小物たちです。帯揚げは当店でも大変人気の高い優秀アイテム、当店セレクト品「ふくれ市松」。そして帯締めは、先日のオンライン展示会で好評をいただいた和小物さくらさんから印象を引き締める「ゆるぎ(19)」です。
小物はあくまでも小物です…ですが、コーディネートを楽しむ皆さまはもうご承知のことと思います。洗練をアップデートするのも小物。装いをブラッシュアップするのも小物。高い感性を感じさせるコーディネートを完成させる仕上げの小物はそう、とても重要なのです。
日中はすっかり春を感じられる陽気となってまいりました。コートや羽織を脱ぐ季節はすぐそこまで…そんな時は、ベーシックに華を添えるアクセントである小物を新調したくなる季節です。さて、クローゼットに足りない色は何色でしょうか。新しい自分に足したい色は何色でしょうか。考え方はどちらからでもOKです。心が躍るものを増やして、また今までとは一段上がった品格カジュアルを目指しましょう。
スタッフ マキコ