オーダーメイドで袋帯を織り、本場結城紬に合わせる。スタイリスト井上和子が最後に手掛けたH様のコーディネート

「一人ひとりに合わせたトータルコーディネート」を店頭・メール・LINEで承っています。

スタイリスト 母 井上和子が生きていた時から考えると、一体何人のお客様のコーディネートをしたのか見当もつきません。そして、段々と階段を登ってきました。

  • 店を始めたころはリユース品が大半「コストパフォーマンス型」コーディネート
  • 問屋さんとのお付き合いができ始め「めったにない希少品」を集めたコーディネート
  • 勲章を受章した和裁の先生とのご縁で「細部までこだわった仕立て」コーディネート

さらに歩みを進め

  • 作家さんや作り手さんとのご縁で「別注品・フルオーダー」コーディネート

ここまで来ました。一歩一歩と実地の経験を積み、成功したり、失敗したりしながらたどり着いたところです。そして、今やっと公開に踏み切るのは・・弊店のもつノウハウの全てを結集した総集編

  • 全てにおいて妥協の無い、完成されたコーディネート

です。

本場結城紬160亀甲と勝山さと子さんの別注袋帯、帯周りとお草履のコーディネート

本場結城紬 160亀甲のトータルコーディネート

今回ご用命をいただいたのは当店のご常連様「H様」という方です。

お写真は拝見しておりますが、実際にお会いしたことはまだなく、遠方よりオンラインを通じてご縁をいただいている方です。

着物が本当に大好きで、真剣に取り組まれています。

「本場結城紬をはじめようと思って」

そんなお話をいただき、当店の秘蔵品「本場結城紬 160亀甲 飛び柄」をお求めいただき、そしてトータルコーディネートをご用命いただきました。

160亀甲の本場結城紬 着尺

こちらは現在ではほぼ制作はされておらず、入手することがそもそもに不可能に近い超希少品。偶然にすこしお値打ちに入荷していましたが、最高級品です。(今の相場から計算すると50万円近くお得にご案内できているはず?)

結城には本場結城紬の糊抜きを専門とする産地地入れの職人さんがいます。

「硬め」「柔らかめ」など糊抜きの状態の指定も可能、水洗いと伸子に張った天日干しで一つ一つを丁寧に仕上げてくれます。

お仕立てを担当したのは和裁で勲章を受章した先生の工房。H様を含めサイズ感にこだわりがあるお客様が多い弊店ですが、一番間違いなく完璧に仕立ててくれる最高品質の工房です。

値段ははりますし工房からの細かい確認がかなり多いのですが、その分、一切の妥協が無い先生です。そして、お弟子さんもコンクールで最優秀を取るなど無敵の布陣。納期についても安心です。

トータルコーディネートは井上和子が担当しました

着物の制作と見立てに一切に妥協ありません。はっきり言って半端なものは合いませんので、当時は生きていた母が細かくコーディネートをしてくれました。

「帯は何が合うかな・・?」「これはどうだろう・・?」

と意見をすり合わせていたのですが、二人の意見が一致したのは、インターネットで見つけた「勝山織物」から発表されていた焦げ茶の作品

それをH様にご案内したところ感触が良く、帯の方向性が決まりました。

勝山さと子さん&チーム勝山織物へのオーダー

他の機屋さんの作品も候補にありました。しかし「完全にオーダーメイドとして勝山さと子さんに頼む」方向にまとまりました。また、勝山織物に何回か伺い さと子さんを含む「チーム勝山織物」と打ち合わせを重ねました。

最初は「デザインから全て制作する」というのも検討に上がったのですが、勝山織物の所蔵するデザインから鏡裏文が選ばれ採用となりました。

最初の候補に挙がっていた柄は台風で破損してしまい使用できませんでした・・しかし、着物の画像を送ったり、実物を送ったりしながらベストな作品を勝山さんのアーカイブからもらうことができました。

勝山さと子さん平田様の帯_最終配色調整の綛
どんな色にするか綛で見るさと子さん

織物はデザインだけでは完成しません、糸の使い方で地風を操るのがポイントになります。

そして、鏡裏文の作品は「金銀糸」を使ったフォーマル向けの作品が基本だったのです。

しかし、本場結城紬に合わせるにあたって糸を変えて、風合いを全く違うものに作り替えていただきました。

白い見本裂の時点でいい感じ

夏帯にも使用する軽さとシャリっとした良い風合いの「眠っていた40年前の糸」に引箔を合わせることで、今回の帯のために制作された糸です。

そして「勉強にもなりますから!」と何色もの色見本をつくってくれた勝山さと子さん

薄い色のサンプルもあった

着るH様のお写真も送りましたが、「華やかさの中に落ち着きを込める」と紫や緑を上手に配色してくれました。

勝山さんは手仕事の作家さんに多い「制作のみでコーディネートはわからない」という方ではなく、着る方のイメージに沿って制作からコーディネートまでできる力のある方です。

そんなこともあり、今回の案件は勝山さと子さん(& チーム勝山織物)に頼んでベストだったと思います。

小物を選び、仕上げる

そして、着物や帯が完成したころ、母はかなり体調を崩していました。

当時はリモートワークをしていて、電話で声を聴くと元気そうなのですが、具合が悪い時には電話に出ることが無かったりしました。

このころは私、英樹とスタッフみんなでコーディネートを考えて、母のOKをリモートでもらうようなスタイルになっていました。選んだのはこちら

渡敬さんのこっくりした色味が高級感のある「渡敬×平田組紐 帯締め 綾竹経巻遊玄」最高級品の帯締めです。(写真のものの別カラーです)

帯回りまで決まり、ここから少し時間が空くのですが母が亡くなりました。

和小物さくらの草履をオーダーする

H様から「大人の落ち着きがあって、でも、大人可愛い足元というか・・」とニュアンスをいただき、お草履の制作もご用命いただきました。

電話で「H様の草履はどんな感じがいいと思う?」と話をした時「和小物さくらさんのつや消しでニュアンスのある濃茶系か・・薄いグレージュ系。H様と相談して今持っていない方を作ってあげて。英樹ならもうできるでしょ。」との指示でした

入院などいろいろがあり、割と最後の打ち合わせだったことを覚えています。

H様にそのことを話したところ「手持ちは気にせず、一番合うものを作ってほしい」とご用命をいただきました。

そのため、帯の地色に最も合う「濃い目の茶色」を台に、鼻緒はほんのりとしたピンクの同素材をコーディネートしました。H様はとてもお草履も喜んでくれました。

母にはこれを見せることはできませんでしたが、きっと喜んでくれるとおもいます。

制作からコーディネートまで全て、総力戦

ちょっと前の髪型

このあと、H様から別の本場結城紬のお仕立て直しのご相談をいただいたりしましたが、「直す価値のあるものかの判断」は私、制作は「結城の職人さん」と「お仕立ての先生」との連携で、ノウハウ再結集となったのも、とても嬉しいことでした。

着物のコーディネートは一人では完成することはできません、つくり手や職人さんにご協力をいただき調整に調整を重ねてやっと形にできるものです。

毎度のご協力に心からの感謝を申し上げます。

ブログ公開4ヶ月待ち・・

正直、実は11月に発表する予定だったブログなのですが、あまりにも大作になり過ぎるため、書き出すのを躊躇していました。そして、どうまとめるかを悩んでいました、ずっと。

悩み癖だけは・・何とかしないといけないですね。母にもよく言われてましたし。

私たちはこれからも、一人ひとりに合わせたコーディネート提案を頑張って参ります。ご希望の方はお気軽にお声掛け下さい。

(コーディネートの公開をお許し頂いたH様 誠にありがとうございました。)

作品担当 井上英樹

自然布の帯と夏仕度 オンライン展

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