仁平幸春(フォリア)さんに図案から別注「花舞更紗の帯」から本物の仕事を学びました

緊急事態宣言も明け、ご来店のお客様も増えております。オンラインでも単品、オーダーメイド、コーディネートまで、様々なご依頼をいただき、おかげさまで忙しくしております。

こんな時ほど気を付けていたいのは「本物であるよう努力する」ことなのです。

一つの作品から、深く思いが巡ることもあるのです。

こちらはご存知 仁平幸春(Foglia)さんに弊店の別注品としてお願いした更紗柄の名古屋帯「花舞更紗」です。

図案から完全に弊店のオリジナルとして制作を依頼、配色だけに留まらず、全ての意味で世界観を凝縮した作品となっています。

故・井上和子が目をとめた「矢車草の写真」からオーダーを行い、仁平さんの工房で詳しく技法を詰めていきました。(と言っても、染色トークほとんどなのですが・・)

大切にしたのは「透明感」と「白の質感」の両立。

透明感はあえて彩度の高い配色を行うことで、また、白の質感は地色に胡粉調の顔料(チタニウムホワイト)を通して引く事で、織物にも匹敵する細やかな質感を生み出しています。シンプルですがかなり手のかかった仕事と聞きました。

制作にあたり、メールのやりとりから保存した写真が相当数あります。その画像を使ってブログを書いても宜しいですか・・?と聞いたところ、快くご了承いただきました。

工房に所属する作家 甲斐凡子さんから、「親方秘蔵写真」も届き、今回も中々に贅沢なお届けとなっております(笑)

こちらは、仁平さん。

まさに「男の後ろ姿!」というカットです。

紙に描かれた図案を、ひと筆ひと筆丁寧に写し取っていきます。

「図案をデザインするのが一番時間がかかる」とは仁平さん談ですが、華やかさに偏るわけでなはく着物に合わせる帯として、素敵なデザインを生み出すのは並大抵のものではありません。

実際に手に取って、実際にコーディネートして楽しめる帯。

どこかに置き忘れそうな、一番大切なこと。

一部の柄を染めたところの写真もいただきました。

この青は矢車草の青から着想いただきました。

「透明感のある青、しかし、品の良さと深みのある・・」

そんなリクエストではありましたが、見事な回答をいただきました!

この素晴らしい配色に至るまでに、数色の候補が存在しました。

上の写真は仁平さんがipad上でラフに描いた、候補の配色の一つです。

葉の緑を強調した、生命力のある表現です。

今回は、写実的というよりファンタジックな世界観を優先していただいたため、緑は使わず墨色と同系の青で配色を完成いただきました。

参照:仁平幸春(フォリア)さんの作品

細かい筒描きの箇所はなんと、動画までいただいてしまいました!

通常よりも細い線で筒描きいただくリクエスト、丁寧に応えていただきました。

コーディネートすると、こんなに素敵に。

白の三才山紬と合わせた、最旬の着こなしへの挑戦です。

さて、最初に書きましたが「本物であるよう努力する」とはなんでしょうか。

現代染色シーンにおいても、確固とした存在感を放つ工房「Foglia」ですが、仕事への実直な取り組みは半端ではありません。

染めの技法はもちろんのこと、メールの返信へのレスポンスの良さ一つとっても、爪の先まで通ったプロ意識の塊です。

当方の希望する内容は中々にクセが強く、「うーん・・」と考えこむ作家さんも少なくはないのです。

しかし、

井上:「透明感のある白で、質感のある白で・・」

仁平さん:「胡粉系の顔料をおきましょう。甲斐さんどう思う?」

甲斐さん:「良いと思いますよ、チタニウム系のあれですね?」

といったひらめきのキャッチボール、反応速度にも驚かされました。

「非凡な才能」や「作品の強さ」というのは大切ですが、「仕事」として安心にやりとりができることも「本物」を感じてしまいます。

感性と安心、どちらも満足させられること。

「本物であるよう努力する」 ことは、そんな凡事徹底的なことだったりします。

ああ、いいなあ Foglia、好きだなあFoglia!

仁平さん、甲斐さん、いつも本物の作品とご対応誠にありがとうございます。

作品担当 井上英樹

「着たい」「似合う」が間違いなく揃います

「自分の着物にあう帯を選んでほしい」
「ネットの掲載品を実際に見たい」
「合うサイズの草履がない」
「お洒落なコーディネートで揃えてほしい」
「着物が着にくいので、仕立て直したい」
「紬をはじめたい」
「似合うものをオーダーメイドしたい」
「式典のコーディネートを任せたい」
「芭蕉布や上布など、特上品が欲しい」
「染織家の●●さんの作品が欲しい」

お応えしてきた一例です。ご来店(予約制)はもちろん、メールやLINEでもお気軽にご相談ください。

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