こんにちは、作品担当 井上英樹です。当店をご覧の方はお気づきと思いますが、今「リユース品」コーナーをクローズしています。
インスタグラムなどではちょこちょこと告知をしている「当店のリニューアル」に向けた取り組みの一つで、リユース品も整理をしています。
結論から言いまして、リユース品コーナーはまもなく再開、さらに、新感覚のコンテンツを用意する予定です。
着物や帯は、新作を買うとそれなりの価格です。10万円代だとお求めやすいラインで、上質な紬などは100万円以上はざらにあります。リユースの場合、新作と比べると数分の一程度の価格帯でご案内が可能です。
ですが、今、私や母和子の考える「コンテンポラリーで旬な着こなし」には程遠い、悪く言えば「古いだけ」の着物を安いというだけでご案内するのは、もはや、私たちにはできませんし、ご利用をいただいているお客様にも失礼になります。
そのため、リユースの扱い基準をさらに見直し「現代的に、お洒落に、上質に」着こなせる商品へと特化していこうと考えています。
紬や織物の産地の情報では、以前よりさらに作り手の高齢化が進み、再現ができない技法や品質がどんどん増えています。
ある意味では、リユース市場に流通する着物や帯には、途絶えた技法を生かした作品や目を見張るような美しさのあるビンテージ的な価値が発生しつつあります。
と言っても、その価値や仕事を正しく評価できる「リユースのバイヤー」は多くはありませんし、現代的な感覚のデザインやコーディネートを提案できるかは、疑問です。
私は、母であるコーディネート担当 井上和子とも連携して、さらに洗練されたリユース着物コーナーを作り上げるつもりです。
当店ならではのリユース着物コーナーは、私は、工芸の世界への最初の一歩にできると考えています。
例えば、品質が良く、洒落た感覚のリユース紬に、現代の感覚の新作の帯を合せる。これには、新作だけで固めたコーディネートとは違った表情が生まれます。さらに、コーディネートの総額を抑えることが可能ですので、帯のバリエーションを増やすことも選択肢になると思います。
しかし、問題はリユース市場にある着物や帯の品質です。ご存知の通り、年々新作の流通量が減っている着物業界です。リユース市場で確保ができる良質な作品、お洒落な作品は、ほとんどありません。(あくまで私の基準ですが、なんでも良いなら結構あります・・)
ですので、大量にというのは難しいと思います。リユースの作品にも丁寧な目利きと査定、デザインの評価を行って、限定的な扱いになると思います。
手を抜かず、工芸的な着物への手掛かりになるような作品を探していこうと思います。
→ 更新
2021年2月現在、リユースコーナーはクローズとなっています。作品入手のめどが立たず、今後の展開は未定となっております。
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2022年1月現在、さらに減少傾向の良質なリユース品ですが、逆に見つけられればヴィンテージとしての価値が生じていると感じます。ご紹介できるよう動き始めています。
作品担当 井上 英樹