当店ではいくつか定番と呼ばれている作品があります。例えば、貴久樹のナチュラルタッサー着尺や河合美術織物の七宝袋帯はクセのないデザインと手に取りやすい価格で毎年必ずラインナップして、売り切れれば補充しています。
その定番の一つに「ひょうたんの薄機袋帯」があります。これは織紋意匠 鈴木こと西陣織元 鈴木織物さんが通年の帯として展開する水衣錦の作品です。何色か種類があるのですがどれもすっきりと合わせやすくまとまっており、毎年必ず注文をいただいています。
今年も冬の時点から注文があり切らしていましたが、新作を補充をしました。今回の配色は白よごしと呼ばれるナチュラルな白にモノトーンの蔦とシャンパンゴールドのひょうたんが織り上げられた作品です。
西陣織の帯はどうしても豪華で重厚な作品に目が留まりますが、最近のコーディネートの感性から言うとそのテイストは少し持て余し気味です。
そこにピタッとはまるのが鈴木の水衣錦です。気温の高い夏の帯にも対応するには見た目の爽やかさも大切。こちらは唐織り的な絵緯の分量を押さえてあり絶妙に爽やかです。
金糸を使った帯ですのでフォーマルな着物に合います。今回は付下げに合わせていますが、そこまで華美ではないので絽の色無地などにも合うのではないでしょうか。
丸みのあるモチーフはいつも女性の心を捉えます。今年のひょうたんも間違いなさそうです。