2018年1月も終わりが近づき、少し落ち着いてきもののことを考える時間ができてきました。毎年、年明けには必ず、今年一年の流行予測を考えているのですが、大きな変化が起こりそうな気がしています。
2018年 着物の流行を予測する
「着物はさらに、個性を求める」
昨年インスタグラムで数百点のコーディネートをご紹介したり、ご来店のお客様の声などから強く感じたことがあります。それは、自分らしい個性を感じさせる着物を楽しむ方達が増えているということです。
ファッション関係はもちろん、芸能関係や政治・経済関係、また女性経営者など時代をリードする女性達に着物がさらに浸透していくのではないでしょうか。
着物は海外ブランドの洋服以上のステイタスとして認められ、様々なシーンで着る方が増えています。出席する場に合わせて、または個性の表現としての着物。選ばれる方が確かに増えてきています。浸透がすすめめば、さらに素敵に、個性を演出する着こなしが求められます。
もはやベーシックになった、グレー系やベージュ系のワントーンのまとめ方に自分なりのこだわりをプラスすること、帯留めや帯締め、帯飾りなどの帯まわりや草履、下駄などの足元にこだわるなど、きっちりと型にはまったものから、より成熟して、洗練されていながら、抜け感のある個性の表し方がセンスの見せ所になっていくと思います。
また私共、千成堂には子育てが一段落し、茶道などの趣味を持たれ着物を楽しむ方も多く、豊かな人生経験のプラスされた存在感のある着物姿がお似合いになるお客様も増えたように思います。趣味としての着物に、自身のこだわりを反映させていく時代が今年始まるのかも知れません。
「質感」
紬の無地の着物をベースに、帯で遊ぶコーディネートは今年も人気です。今年は素材・質感にさらにこだわる傾向が出てきています。
例えば、着物に色や柄を合わせた染め帯はスタンダードですが、ザックリとした手紡ぎの帯、自然布の帯などが人気を集めそうです。
素材な中にある、高度な技術や希少性をいつくしむように・・サラリと楽しむ。反対に紬に、柔らかな絞りの帯や紅型など、型染めの帯を甘めにまとめる。単なる無地感覚ではなく、素材感のコントラストを楽しむ着こなしには注目です。帯だけではありません、着尺の質感にもこだわりが表れてきそうです。
「夏の着物の流行が本格化する」
今までは着なかった単衣や夏着物への挑戦をはじめる方が増えています。浴衣ではなく、夏の本格的な着物が流行すると思います。年々、夏日といわれる25℃以上の日が早まってきているせいか、単衣の時期も少し早くなっています。衣替えを暦通りにするのはむずかしい日もあり、塩沢や結城縮、大島などを単衣にお仕立てすることも多くなりました。(5月の暑い日からお召しいただけます)
気候のこともそうなのですが、夏の着物の持つ高級感や、奥深さに興味を持つ方が本当に増えています。”盛夏もの”として上布や芭蕉布、夏塩沢、夏大島などがありますが、伝統的な製法を守り、極上の着心地と、通がうらやむ美しさと高級感を持っています。さらりと着こなす大人浴衣が昨年は人気でしたが、さらに高級感を備えた着こなしに注目が集まっています。
先に書きましたが、質感のある帯とのつながりもあります。藤布、葛布、からむし、しな布など自然布系の素晴らしい味わい深い帯がぴったりくるのも夏きものの特徴ではないでしょうか。
涼し気なカゴ系バッグ(竹、山葡萄の蔓など)、大人っぽい表情の上質な下駄も合わせてチェックが必要です。
2018年は、これ!といった単品ではなく、質感、高級感、夏の装いなどの考え方が流行を読み解く上での鍵になってきそうです。
当店では今年も変わらずinstagramや当ブログで流行をとらえていきたいと思います。さあ、あなたの考える今年のスタイルは・・?