日差しがめっきり春めいて来ました。
「梅の花が満開!」のようなニュースを目にすると、まだ肌寒い日もありますが、着物のコーディネートにも春が欲しくなりますね。そんな時にぱっとイメージチェンジしてくれるのが帯。
着物の帯はご存じの通り、着物のコーディネートを考える時、「着物一枚に帯三本!」と言われるように着物コーディネートをキメる要です。
さて、今回春先の着物コーディネートにご提案したいのは名古屋帯です。
なぜ、春の着物コーディネートは名古屋帯から始まるのでしょうか?
名古屋帯をおさらい:
袋帯より長さが短く一重太鼓結びにする長さの帯で、軽く閉めやすい帯である。 当初は染め帯であったが、織り帯も作られるようになり、金糸銀糸を使用したものは付け下げ、色無地に合わせて準礼装に、その他のものは小紋や紬などのお洒落着に合わせる
名古屋帯は袋帯と比べて軽やか、織りと染めに別れますが、比較的カジュアルなコーディネートへ推奨される帯です。
今年風、普段着着物×名古屋帯コーディネートのコツ!
なぜ、普段着着物には名古屋帯がオススメなのでしょうか?
普段着着物として考える場合、なによりもお太鼓が一重で軽いですから楽です。その軽やかさは、重厚な袋帯と比べても一目(一締め??)瞭然。
今年風のコーディネートを考える場合、帯締め、帯揚げの色味を明るくしても良い感じです。また帯の幅も袋帯より少し狭くなりますので、お太鼓も小さめがいいバランス。全体として、軽やかで洒脱な感じを心がけたいところです。
古屋帯コーディネートをご紹介。
結城紬×絞りの名古屋帯×ヴィンテージ・エルメス。
結城紬の着物にコーディネートしてみます。ベージュ系の地に流線のような亀甲文様のお着物に、総絞りの非常に軽く優しい色合いの名古屋帯をコーディネート。ポイントになる帯締めには、その色味から採った水色と桜色の帯締めを合わせてみました。(ちょっぴり季節を先取りしてコーディネートするのは”粋な着こなし”の基本です。)
最近見かけることが多くなった総絞りの帯は、とにかく軽く柔らか。名古屋帯の配色も春を意識した一品を選んで、細部まで手抜きは厳禁。質感のある絞りの帯、いつもの着物の印象を替えてみたい時にもお勧めです。
バッグはエルメスのケリーバッグ32、着物へのコーディネートも定番になってきました。
ヴィンテージ エルメス ケリーバッグ32(〇にT刻印、1990年製) クシュベル ゴールド 588,000円(税込)
外縫いと呼ばれる、かっちりしたモデルはカジュアル志向の洋服にはちょっとチグハグな印象ですが・・そこは着物の持つ魔力!かっちりモデルを程よくカジュアルにまとめてしまいます。
ライトなワントーンコーディネートには、現在廃盤となった希少なクシュベル素材×ゴールドのヴィンテージを合わせてさらにワンランク上のコーディネートを実現。
大人の雑誌を舞台に活躍するスタイリストさん達が私物として紹介したこともあり、コーディネートに登場したような、ヴィンテージ・エルメスならさらにワンランク・・いや、ツーランク上のコーディネートを実現できてしまうのではないでしょうか。
結城紬×紬の名古屋帯×レディディオール。
二枚目は、深みのあるグレーに総柄に菊の文様が織り込まれた洒落た印象のある結城紬です。
落ち着いたシックな感じ、白の紬地に墨絵で藤の花を描いたすっきりとした名古屋帯でぐんとイメージを替えてみました。帯締めとバッグをライトブルーに合わせてバッグはレディーディオール。
ディオール レディディオール ハンドバッグ シルバー金具 198,000円(税込)
ディオールのマスターピース、着物コーディネートの超定番ハイブランドバッグとえば・・そう、レディディオール。こちらはスッキリした配色が印象的な水色×シルバー金具のモデルです。
ダークカラーの結城紬を軽やかに魅せるべく、前出のケリー32と比べて少し小ぶりなサイズを選んでみました。
ゴールド金具のモデルもゴージャスですが、ダークトーンの紬を都会的に着こなす意味を込めて、シルバー金具のレディディオールを選んでみました。帯締めから一色選んでバッグと合わせるのも、コツ。
名古屋帯はカジュアル、その分バッグの選択肢も広い!
いかがでしょう。名古屋帯は袋帯に比べると少しカジュアルなテイストを持っています。普段着着物に選ばれるのもそこが大きな理由です。(袋帯はもともとカジュアルではありませんが・・。)
冬→春のコーディネートチェンジを考えた時、心がけたいのは軽さの演出。帯を名古屋帯に変え、バッグも軽い色合いを選んでみませんか?きっと、もっと素敵な春先の着物コーディネートが演出できるはずです!