いよいよご紹介の時。某着物専門雑誌の特集に貸し出した当店の越後上布が撮影から帰ってきました。何回かブログの記事のなかでもご紹介していましたが、現在流通している越後上布に比べて糸の細い時代に制作された得難い作品。お仕立ては勲章も授与された先生に依頼(タイトな納期申し訳ありません)して、隙なく完成しました。
今回、着物と帯は当店から貸し出しとなり、小物は編集部の意向で選ばれると聞いています。この記事のコーディネートは当店のスタイリングを手掛ける井上和子が小物まで選び、つくったコーディネートです。
すこし煙ったような苧麻の白に藍の経絣が浮かび上がる越後上布、合わせた帯は諸の葛布。すっきり感を出すため白の帯揚げを効果的に効かせ、また、帯締めには締まりのある色、幾何学的な組みのものをのせました。良き時代の着物を最新のテイストに魅せる帯回りには非常に気を使っています。
バッグは繊細な竹細工。タイ王室にも献上される名門「コムクリット工房」のものです。小ぶりで品の良いデザインの一点を合わせました。
夏の着物コーディネートは「着方」でその質を変えます。撮影にあたり、着付け担当 マサエが風をはらむようなゆるりとした着方をつくっていますが、これも含めて完成したコーディネートといえます。
足元は写すことができませんが、パナマの草履を合わせるのはいかがでしょうか。
この越後上布のコーディネートのテーマは、織物の持つ高級感をゆるりと着る「余裕」です。つい、超高級品であることにとらわれてしまいますが、あくまでも実際に着て、夏の涼を演してほしいというメッセージです。
実際問題、相当に高価なお品ではありますが、撮影に使用したということもあり特別価格でのご案内です。ぜひ、トータルコーディネートでお求めください。