間違いなく、これが最高の夏着物コーディネートのひとつだと思います。
沖縄県指定無形文化財「八重山上布」に重要無形文化財「喜如嘉の芭蕉布」を合わせました。
白の絣柄と花織の緑が目に美しい八重山上布は、 沖縄県指定無形文化財「八重山上布」技能保持者、糸数江美子さんの作品です。
本来、八重山上布は白上布として有名ですが、こちらは自然の光を全て集めたような、それはそれは明るく美しい藍色が目に飛び込んできます。
そうです、これは別注作品。通常に流通する作品ではありません。当店の取引先、東京最強の紬マイスターの一人「O」氏が手掛けた作品です。
織上がりまでに4年かかったと聞きましたが、入荷の即日に仕入れさせていただきました。
八重山上布の独特な工程とされる「海ざらし」を通し、植物染料の発色が鮮やかになると聞いています。その工程だけでも10日以上が必要。まさに、気の遠くなるような時間の結晶です。
絣の柄は一般的には「野暮ったい」ものとも思われています。ですが、こちらの作品にはその野暮ったさがありません。
絣柄の美しい表現は、その藍と白、緑のコントラストによるもの。
この着物の表現する世界観に活きている色。この色が後で帯揚げに繋がっていきます…
合わせる帯は「喜如嘉の芭蕉布」。ご存知、重要無形文化財技術保持者(人間国宝)平良敏子さんと平良美恵子さん率いる工房の正規作品です。
シンプルな淡彩の帯ですが、太鼓と前には花織を加えた技ありの逸品。
帯揚げはどのように選んだかというと・・
こちらです。麻の葉文様と絞りの帯揚げです。着物に緑のアクセントがあるので、その色から着想した「鶸色(ひわいろ)」の効いた帯揚げを選びました。
白い地色ですので、絣柄ともリンクして良い雰囲気です。
帯締めもトーンを合わせた一品を選びました。レースの夏帯締めは組みのアクセントも効いてお洒落です。
総仕上げの足元はシザールの夏草履をチョイス。麻素材の中でもツヤのある生地です、一際高級感のあるコーディネートが実現できました。
夏の上布のコーディネートは素敵です。ぜひ、今年こそチャレンジしてみましょう!