「白たか上布の白」は6月の着物に迷った時の最適解かもしれない。

6月の着物は、悩ましい。

昔ながらの衣替えなら、やっと単衣になる月。でも、4月でも25度を超える現代、現実的に厚い単衣は少し厳しい。京都や内陸では35度を超えました。

梅雨の季節でもあり、雨も降る。シトシトと降る雨は風情があります、でも、着物を着るときには面倒なもの。

夏着物はどうも「上級者の着物」という感じで何となく避けている・・・そんな声もチラホラ。

今回はその難易度高めな6月を爽やかにしてくれる。そんな着物とコーディネートをご紹介します。

結論「 白たか上布の白 」です。

参照:千成堂着物店 白たか上布

絹上布をご存知ですか?文字通り、絹を使った上布のこと。

ふつう、上布は苧麻や麻の素材を使った品質の高い織物のことを指す。対して、絹上布というのは絹素材。ちょっと違う。

色々な品が色々な産地から出ているが、抜群に完成度が高い、この米沢 / 小松織物が手掛ける白たか上布。今回はこの着物ををお勧めします。

麻の上布との違い

暑い時期を快適にするシャリ感、まとわりつかない涼感。一目見て、誰もが美しいと感じる透け感。これが麻(苧麻)の上布の特徴。

だが、麻(苧麻)の上布は基本的に盛夏専用の着物。7-8月の限られた期間が正しい時期。そのため、どうしても手を付けにくいジャンルです。

ここで絹上布のひとつの特徴、「 6月から着られる 」が発揮されます。なんと、絹で織られる上布は、盛夏専用ではなく、6月の暑い日から9月の秋を感じる手前まで着られます。

単純な話、単衣でも暑いものは暑い。その時に、絹上布である白たか上布を選ぶのは正解。段違いに快適です。

暑くて着物が着られない、と考えるあなたはきっと手に取る理由になります。

先に書いた話、上布はその美しさが一番の魅力。着物のなかで最も価値が高く、高価な価格で取引されているのは、その美しさが一番の理由。(生産が極端に少ないというのが、価格の理由ではありますが・・)

米沢の機屋 小松織物さんの手掛ける、この「 白たか上布 」は、非常に美しく質感が高い。苧麻の上布に比べれば、糸や織りは簡略化されているが、程よい透け感と、極控えめな横段があり、高級感がある。

こちらの着物は当店の設定では価格も10万円台からと、驚くほどにリーズナブル。 小松織物さんの「 美しい夏物を、まず手に取ってもらう!」という意思がビシビシ感じられる。これは簡略化ではなく、企業努力。

当店の品揃えの好み上、相当高額な夏物も扱っているのはご存知でしょう。ですが、その目から厳しく見てもこの小松織物さんの白たか上布は、驚異的に完成度が高い。繰り返しますが、驚くほどにリーズナブル。

白よごし、を選ぶ。

何色か入荷している中で、お勧めは「白よごし」。白よごしというのは真っ白ではなく、少し生成り色を含む絹織物ならではの色のこと。純白の着物に比べると帯が馴染みやすく、比較的コーディネートがしやすい色。

夏の着物といえば、薄藍色や水色など、涼しげな色を思い浮かべるのではないでしょうか。ですが、中でも白系は最も涼し気な色。そして都会的でお洒落。

さらに、白系、特に白よごしは色合い的に帯が合わせやすい。濃い色の帯、薄い色の帯、明るい色の帯・・どれも相性が良い。 実際のコーディネートでご覧いただきましょう。

最初の写真でご紹介した泰正織物さんの羅とのコーディネートはじめ、色々な帯が映えます。

白たか上布×濃い地の江戸紅型

参照:千成堂着物店 白たか上布

白たか上布の白には、濃地の帯もぴったりです。江戸紅型の作家、五味桂子さんの手掛けた作品です。題材は活き活きと茂るとうもろこし、緑を挿して、他にない洒落た雰囲気を演出しています。

白たか上布×藍色の宮古上布

参照:千成堂着物店 白たか上布

本物の麻(苧麻)を使った上布の洒落帯も素敵、八重山上布の帯をあわせても楽しいです。透明感のある生成りと、落ち着いた黄色が大人ならではの遊び心。

白たか上布×紬地の染め帯

参照:千成堂着物店 白たか上布

白たか上布には紬の染め帯も合います。小千谷紬の生地にフウセンカズラを染めたのは、京都の名染匠の代名詞、川勝さん。上質な夏の染め帯も難なく受け止めて、お互いをひき立てあっています。

お勧め夏着物、白たか上布

夏着物は上級者にならないと、という方もあるがここまで帯合わせがしやすい着物なら、手を出しやすい。

涼しくて、高級感があって、お洒落。

この三点が、6月に白たか上布を決定的にお勧めする理由です。

涼しいときには探す気にならず、いざ、暑くなってからは欲しくなるのが夏着物の特徴。 当店では、反物での取り扱いはもちろんお仕立て上がりもご用意。これは、「思い立ったが吉日!」なあなたにすぐに着ていただけるから。

帯が合わせやすいからこそ、コーディネートは完璧にしたい。大丈夫、お席に相応しいコーディネートや、場面に応じた演出まで、詳しくお答えします。

「白たか上布の白」は6月の着物に迷った時の最適解かもしれない。

(文:井上英樹 監修:井上和子 写真:マサエ)

「着たい」「似合う」が間違いなく揃います

「自分の着物にあう帯を選んでほしい」
「ネットの掲載品を実際に見たい」
「合うサイズの草履がない」
「お洒落なコーディネートで揃えてほしい」
「着物が着にくいので、仕立て直したい」
「紬をはじめたい」
「似合うものをオーダーメイドしたい」
「式典のコーディネートを任せたい」
「芭蕉布や上布など、特上品が欲しい」
「染織家の●●さんの作品が欲しい」

お応えしてきた一例です。ご来店(予約制)はもちろん、メールやLINEでもお気軽にご相談ください。

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