縞と格子、基本とも言える柄行を現代的に着こなすコーディネートとは。
木屋太の袋帯と黄八丈調、上質な袷を合わせる。
黄八丈の中に使われる赤みを帯びた茶、草木染の緑が絶妙なバランス、ハッキリとした縞(しま)の袷です。
紬の感覚でエルメスのストールと合わせても、またクラシックな帯と正統派に合わせても素敵な逸品です。
エルメスのストール
ボッテガのバッグ、正統派の黒。
ボッテガのバッグ、ベージュ・グラデーション
格子をまとめるお洒落な木屋太の帯。
光沢の美しいさらりとした感触の着物に合わせたのは西陣の名門、今河織物:木屋太の袋帯。
こちらはハート型の中に京都の名所が織り込まれた逸品。手が込んでいながらモダンで洒落た雰囲気があります。全体的には色数を押さえて、ポイントになる部分にはメリハリ。このコーディネートは帯揚げに黒茶を使って引き締めているのがポイントです。
参考:木屋太 ブランドサイト
格子柄の着物、旬の花織のモダンな合わせ方。
格子柄の中に3つのパターンの花織が浮かび上がる・・旬の花織、袷です。
こちらも藍色に生成り色だけのシンプルな色使いが洗練された印象の格子柄になっています。
スッキリとした格子に花織の甘さが加わって、程よく女らしい。そんな完成度高い一枚です。
黒とグレーの横段に少し鮮やかなブルーと白の帯締めでスッキリとモダンにまとめてみました。
帯のアレンジ。
白地の染め帯で優しい雰囲気にまとめるのも良い雰囲気です。
帯で印象を変えて楽しめる、そんなオススメの一枚です。
ちなみにコーディネートしたのはこちらの帯。
上質な紬の風合いが素敵な一枚です。
「織物は無地、縞、格子に極まれり」
白洲正子、田島 隆生 両氏に受けるインスピレーション
先日、伝説の染織工芸店”こうげい”を開いた随筆家、着物通として名高い”白洲正子”さんについての雑誌の記事を目にしました。
数々の学ぶことの多い言葉と共に著名な織人、田島 隆生氏の言葉として、「織物は無地、縞、格子に極まれり」との言葉も引用されていて、なるほど・・と感銘を受けました。
参考:ウィキペディア 白洲正子
参考:旧白洲邸 武相荘
紬着物のもつホッとするような感覚。
確かにハレの着物の訪問着や振袖など華やかな染の着物がふさわしい席はありますが、日常の中に着物を取り入れる時、やはり紬に代表される織の着物の着心地の良さやホッとするようなあたたかさが心地よく感じます。
格子や縞を現代的にコーディネートする奥深さと楽しさ。
ただ、縞や格子柄は不変的で洋服生地などにも見られますし、身近です。
慣れ親しんだものだからこそ、着物になると着こなしが難しい柄、と私は考えています。一歩間違えると、どことなく懐古的、古臭いイメージになってしまうからです。
当店、千成堂着物店としては現代の町並みに合う、お洒落なコーディネートを一貫して提案しております。
今回、挑戦したのは”格子、縞をどれだけ現代的に着こなせるか”という意味もありました。
「織物は無地、縞、格子に極まれり」
シンプルなテーマだからこそ、楽しめる。着物というのは奥深いものだと思いませんか?