縮緬(ちりめん)の色無地をお洒落に極める。
縮緬の色無地は、目的に合わせて着分けられる、利用範囲の広い着物です。
紬よりも改まった席に合いますので、各種お祝いの席や、入学式などの式典、茶席、パーティーにも帯の格や柄で変化をつけて、着まわしができますので一枚お持ちになると、大変重宝な着物です。
色無地とは、文字通り柄がありませんので、着やすい反面 平凡になりがちです。そこで、色と生地の選び方や帯合わせコーディネートのセンスが大切になります。
今回選んだ生地は縮緬。表面に細かい凸凹のシボがあり、上品で高級感があります。またシワになりにくく、しなやかな風合いがあり、振袖や小紋、また帯揚げや風呂敷などの小物にも幅広く使われています。
ここでは、色無地の代表的な色合い、ピンク系、ブルー系、ベージュ系のコーディネートをご紹介します。
季節は暮れから新年、春先まで考えてみました。
ピンク系の色無地に折鶴と白梅の袋帯
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/206798953?u=%3bhidehidejapan2009
こちらは、ピンクと一言では言い表せないような、淡いブルーからグレーなどの色味を含んだ春霞のような、淡い色合いが上品で大人の雰囲気のあるピンクぼかしの色無地です。
帯は一面の折鶴、紫、黄土色、鈍い赤の中に金色の鶴が混じり、白梅が散りばめられた優美な袋帯。お正月の頃にも良いですね。
帯締めは、薄いピンクを選べば優しい感じになりますが、けし紫で洗練された印象の着物姿に。
バッグはボッテガ、ブラックの色味で全体を引き締めて。また、帯との色もしっかり合わせて格好良く。
水色の色無地にベージュ地に桜丸紋の袋帯
澄んだ水色に更に淡い色が暈しに入った、繊細な色無地。
帯は落ち着いたベージュの本袋帯に、桜の花が丸紋と一緒に散りばめられた上品な雰囲気で、控えめな華やかさがあります。桜の柄は春を待ちわびる頃がふさわしく、一月頃から締めて頂くと良いと思います。少し季節を先取りして、花が満開の頃は控えるのが粋。
バッグはアンテプリマ、人気のワイヤーバッグは色無地にも相性ばっちり。
ベージュに細い縦縞の小紋に川島織物の袋帯
厳密には色無地ではなく、小紋ですが、細かい柄ですのでベージュ系の無地に見えます。帯の合わせ易い色味ですので、何通りものコーディネートが浮かびますが、今回は少しモダンな印象の、西陣の名門、川島織物の水盤文様の袋帯を合わせてみました。パーティーなどにはこれ位印象的な帯が合いますね。
帯締めは、金糸の入った若草色で、控えめな華やかさを演出。
そしてバッグはロエベのアマソナ。着物用のブランドバッグとしてはもはや外せない一品になりました。こちらも隙なくワントーンでコーディネート。
いかがでしょうか。何かと行事の多いこれからの季節。悪目立ちせず、場の雰囲気に溶け込みながらも、自分らしい着物姿を表現できる色無地、(着物は無地、縞、格子に極まる)との言葉もあるようです。挑戦しがいのあるテーマですね!
当店、千成堂着物店でもお洒落な街着~ライトなフォーマル対応の色無地や紬を取り揃えております。コーディネートのご相談もお気軽にお申し付けくださいませ。